【2~5面】 ************************************************** # 特集 新春対談 城が輝き、歴史が薫るまち「和歌山市」 ************************************************** 「和歌山城天守閣再建60周年」を迎えるにあたり、芸能界きってのお城好きである石原良純氏とともに、和歌山城や和歌の浦の魅力、和歌山市の未来について語りました。 (写真)石原良純×尾花正啓 対談は1月1日(月曜日)11時〜(再放送1月3日(水曜日)17時〜)テレビ和歌山で放送します。 -------------------------------------------------- # 城下町の魅力 -------------------------------------------------- 石原 和歌山市には35年前に来たことがあるのです。友達3人と東京から車で。そのときも、もちろん、まずは和歌山城に行きました。今日もお城に行ってきました。僕は、まちの一番高いところに登ると、そのまちを一番よく知ることができると思うので、一気に天守閣を上ってきました。 市長 35年ぶりの和歌山城はどうでしたか。 石原 いやー、天守閣は最高ですね。和歌山市を一望できるし、前に来た時と変わらずに景色は最高でした。やはり、お城のあるまちはいいですね。 市長 そうでしょう!和歌山城は和歌山市のシンボルですからね。 石原 城下町が羨ましいと思うのは、ぱっと見た時に、いつも天守閣が見えるじゃないですか。何か見守られている安心感。お城があるから、僕らの暮らしは大丈夫だ、というような。 市長 ほんとにそうなんです。やっぱり長年に渡ってお城があるということが、市民にとって「心の拠り所」になっていると思いますね。 石原 それに、石垣もそうなのですが、そこには歴史がある。まず豊臣時代があって、それから浅野氏が入ってきた。ここがすごく重要な時期で、1600年の関ヶ原の戦いから1615年の大坂夏の陣までの間というのは、歴史的に大きな戦はないけれど、水面下では駆け引きがされている。もしかしたら、浅野氏が裏切るかもしれない、というのがあったりして。徳川は、いつか西国が反乱を起こすのが怖かったと思う。 市長 その通りだと思います。 それで、徳川の初代藩主の頼宣公が、「南海の鎮(しずめ)」としてこの西国を治めようとしたんです。 石原 大きな戦はなくても、やはり、城のもつ意味、日本全土を見据える和歌山城の意味があった。それに、築城の名手といわれた藤堂高虎(とうどうたかとら)の最初に手掛けた城だということでも、城ファンにとっては、放っておけないですよね。 市長 和歌山城からはいろいろな時代背景が感じられると思うので、お城ファンはもちろん、多くの人に訪れてもらいたいですね。 (写真1)語り部の解説を聞きながら城内を散策する石原氏 (写真2)お城に行くと、ガイドブックにも載っていないような一番良い画を探すのが楽しみだという石原氏。インスタ用の写真を自撮り。 (写真3)「南海之鎮」の印面をもつ金印 -------------------------------------------------- # 天守閣の再建60周年 -------------------------------------------------- 石原 和歌山城の天守閣は、ずっと残ってきたのですか。 市長 実は昭和20年に空襲で焼けてしまったんです。ずっと天守閣が無かったんですが、やっぱり寂しいということで、市民の中から「天守閣を再建しようよ」という動きが出てきました。そして、市民の方が寄附を集めだしたんです。 昭和33年に再建されたんですが、当時はまだまだ戦災復興中で、食料も住むところも十分ではない。そんな中で、本当に子供たちまで、「瓦一枚を寄附しよう」を合言葉にして寄附をして、市民運動として再建がなったんですよ。 「和歌山市のシンボルを再建する」とみんなの心がひとつになって、再建できたんだと思います。そして、ちょうど今年が「天守閣再建60周年」になります。 石原 60周年ですか。それは市民の悲願。良かったですね。やはり、城が元に戻るまでがんばろうという、心の拠り所になる。僕は九州にもよく行くのですが、熊本城も地震の被害をすごく被った。すると、熊本のお年寄りの方が「熊本城が再建されるまで、元に戻るまではがんばろう」と。 まちの人の気持ちが一つになるっていうのは、僕も絶対にあると思いますね。 (写真1)天守閣再建工事中 (写真2)再建工事を見学する子供たち -------------------------------------------------- # 和歌山城の魅力向上への取組 -------------------------------------------------- 石原 僕もいろいろな城のあるまちに行くのですが、今は自分のまちの城の価値に気がついて、整備が進んでいますね。和歌山城も今後整備されるのですか。 市長 そうですね。二之丸には、かつて大奥があったんです。その大奥を再建できたらと思っています。そうすれば、日本の城で唯一大奥があるお城になるんですよ。また、もともと西之丸は風情を楽しむようなところで芸術文化の拠点だったので、紅葉が綺麗な紅葉渓の近くに、能舞台があったんです。この能舞台も復元していきたいと思っていて。こうしたところを復元し、昔の和歌山城の姿に近づいていければ、もっといろいろな魅力が和歌山城に出てくるかなと思っています。 石原 なるほど、希少性があるってことですね。たくさんの方に興味をもってもらえる場所になるということですね。出来上がっていくのが楽しみです。 (写真1)西之丸の能舞台再現図 (写真2)二之丸の大奥再現図 -------------------------------------------------- # 絶景の宝庫 和歌の浦 日本遺産認定 -------------------------------------------------- 市長 和歌山市には、和歌山城以外にも誇れる場所がたくさんあるんです。昨年は「絶景の宝庫 和歌の浦」ということで、和歌の浦周辺の景色が日本遺産に認定されました。和歌の浦の歴史的な景観は、1300年前から美しいと万葉集に詠(うた)われているんです。東京にも、和歌の浦の美しい景色をモデルに築造した、六義園(りくぎえん)という庭園があるんですよ。 石原 あの桜の名所で有名な六義園ですか。何度か行きましたが、和歌の浦がモデルになっていたとは知らなかったです。 市長 ほかにも紀州東照宮という非常に景色も建物も綺麗なところがあって。その地域では1622年から始まった和歌祭という伝統的な祭りが開催されていて、あと4年後が始まって400年にあたるので、和歌祭をもっと盛り上げていきたいですね。日本遺産として、和歌山市の魅力のひとつである歴史や文化の素晴らしさを認められたので、東照宮や和歌の浦の景色などを海外にもっとPRしていければと思っています。 石原 それはどんどんPRしていったら良いと思います。東照宮など歴史ある美しいものは、目を奪われる。外国の方にもすごく喜ばれると思います。 (写真1)和歌祭 (写真2)妹背山の竹燈夜 -------------------------------------------------- # 市民活動について -------------------------------------------------- 市長 本当にありがたいのが、市民の方が色んな活動をしてくれていることです。秋に開催されている妹背山(いもせやま)での竹燈夜では市民の方が、竹の筒にろうそくを並べてくれて、多宝塔(たほうとう)をライトアップしてくれています。また、雑賀崎には、実はお台場があって、その辺りの草刈りを地域の方がずっと続けてくれているんです。さらに江戸時代に築かれた津波などから守る水軒堤防に、白砂青松(はくさせいしょう)を取り戻そうと、地域の方が松を植える活動を行ってくれています。こういった市民の方の手で、昔の良かったもの、あの風景や歴史を取り戻そうと活動をしていただいているのが非常にありがたい。こうした活動を通じて、和歌山市の魅力をどんどん上げていければと思っています。 (写真1)雑賀崎での草刈り活動 (写真2)水軒堤防での松を植える活動 -------------------------------------------------- # 最後にメッセージ -------------------------------------------------- 石原 歴史に色濃く、万葉の昔から彩られた和歌山市が、古いものは残されながら、今後もいろいろな新しい手が加えられ、まちとしての魅力がどんどんアップしていくのが楽しみです。僕もまた近い機会に訪れたいです。 市長 ぜひ来てください! 今年がちょうど「天守閣再建60周年」にあたります。本当に市民の方の心がひとつになって再建された城ですので、この60周年を契機にさらに磨きをかけていき、市民の心の拠り所、そして和歌山市の誇りとなるような城にしていきたいです。それによって和歌山市が、「城が輝き、歴史が薫るまち」になればと思っています。皆さん、今年もよろしくお願いいたします。 (写真)石原 良純 Ishihara Yoshizumi 1962年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学卒業。俳優として、舞台・映画・ドラマなどに出演。また気象予報士としても活躍。日本の四季、気象だけではなく、地球の自然環境問題にも力を入れている。芸能界きっての多趣味、大のお城好きとしても有名。 -------------------------------------------------- # 平成30年 年頭のごあいさつ -------------------------------------------------- 和歌山市長 尾花 正啓 あけましておめでとうございます。 今年は、市民図書館が移転する和歌山市駅の公益施設棟の着工や、雄湊小学校跡地での東京医療保健大学和歌山看護学部の開学など、今までに蒔いた種が成長し、実り始める年です。 そして、市民の皆さまからの寄附により再建された和歌山城天守閣が60周年を迎える記念すべき年になります。和歌山城にかける先人の思いを胸に、お城とその周辺の賑わい創出に取り組むとともに、絶景の宝庫として日本遺産に認定された和歌の浦や青少年国際交流センターが完成する加太など、地域の魅力を磨き上げ、国内外から人を呼び込める都市にしていきたいと考えています。 また、待機児童ゼロなど保育環境の充実、健康体操など高齢者の健康長寿、防災対策に必要となるインフラ整備等をさらに加速させることで、誰もが安心・安全に暮らし続けていただけるまちづくりに取り組みます。 和歌山市には、地元の子供や支援が必要な方のために、また本市を活性化させるために、各地で熱心に活動を続けておられる方々がたくさんいらっしゃいます。今年も皆さまと一緒に、「きらり 輝く 元気和歌山市」の実現に向けて邁進していく所存です。 最後になりましたが、本年が市民の皆さまにとって、素晴らしい年となることをお祈りいたします。 和歌山市議会議長 古川 祐典 新年あけましておめでとうございます。 市民の皆様には、健康で、希望に満ちた初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。平成30年の年頭にあたり、市議会を代表しまして、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 本市は今、第二阪和国道の全線開通等幹線道路の整備や、和歌の浦の日本遺産認定など、多くの方々や先人の努力が実を結び、大きく飛躍することができる絶好の機会を迎えており、この機会を逃すことなく、深い感謝をもって、さらなる市政の推進に取り組んでいかなければなりません。 市議会としましても、本会議のインターネット中継や、市議会だよりのリニューアルといった積極的な広報活動をはじめ、市民に開かれた市議会を目指した取組を進めているところです。 今後とも、本市の抱える課題解決に向け、市民の皆様からのお声を十分にお聴きし、住民福祉の向上と、安心、安全なまちづくりに、市議会一丸となって取り組んで参りたいと存じます。 結びに、市民の皆様におかれましては、本年が幸多き年となりますことをお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。