【2~5面】 ************************************************** # 特集 まちを再生 〜生まれかわるまち〜 ************************************************** 平成29年度に「絶景の宝庫 和歌の浦」が日本遺産に認定されたのをはじめ、平成30年3月26日には、和歌の浦区域を重点区域に設定しつつ和歌山市全域にわたる10か所の歴史的風致を盛り込んだ「和歌山市歴史的風致維持向上計画」が主務大臣(文部科学大臣、農林水産大臣、国土交通大臣)から認定を受けました。 さらに、3月30日には地方再生コンパクトシティの計画が、ハード・ソフト両面からの総合的な取組であり、かつ官民連携のもと地域を再生する取組であるとして、国土交通省及び内閣府(地方創生推進事務局)から地方再生のモデル都市(全国32都市)として選定されました。 これら国の制度を積極的に活用し、また、市民団体や産・官・学をはじめとしたあらゆる分野と連携することなどで、和歌山市は今、人口減少時代を見据えたまちづくりに向けて着々とその準備を整えつつあります。 ------------------------------------------------------------------------ # 「歴史的風致維持向上計画」が認定されました ------------------------------------------------------------------------ 和歌山市歴史的風致維持向上計画では、和歌の浦区域を重点区域として設定し、重点的かつ一体的に推進するとともに、歴史的・文化的な継続がある和歌山市内10か所を維持・向上すべき歴史的風致として位置付けています。 この計画は、歴史的価値の高い建造物や、地域固有の風情、情緒、たたずまいやその周辺での歴史や伝統を反映した人々の生活を維持・向上させ、後世に継承するための計画と言えます。 歴史的風致とは? 地域におけるその固有の歴史・伝統を反映した人々の活動 その活動が行われる歴史上価値の高い建造物・その周辺の市街地 一体となって形成された良好な市街地の環境 市内10か所の歴史的風致 (1)景勝地和歌の浦 (2)紀三井寺 (3)和歌浦湾の漁業集落 (4)城下町和歌山 (5)加太春日神社の海老祭 (6)葛城修験 (7)熊野古道 (8)三社詣(三社…日前国懸神社、伊太祁曽神社、竈山神社) (9)木ノ本の獅子舞 (10)団七踊 歴史的風致維持向上計画が認定されると… 一部の事業について、目標実現のための基幹的な社会資本整備事業のほか、関連する社会資本整備やソフト事業についても総合的・一体的に国の支援を受けることができます。 和歌の浦の歴史まちづくりがスタート 平成30年度のおもな取組 (1)「和歌の浦」ガイダンス施設整備 玉津島神社隣接地において、交流の場・情報発信の場となる施設を整備するため、土地及び建物の不動産鑑定を実施。 (2)雑賀崎灯台の周辺整備 夕日の絶景スポットである雑賀崎灯台の周辺において広場整備を実施。 (3)雑賀崎漁港内観光駐車場の整備 漁港内観光の利便性の向上や漁船からの直接販売の混雑等の解消のため駐車場を整備。 (4)和歌浦観光遊歩道整備計画の策定 和歌浦漁港から田ノ浦漁港の海岸線における観光遊歩道の整備に向けた設計を実施。 (5)和歌の浦街なみ環境整備計画の策定 和歌の浦・紀三井寺周辺の街なみを調査・把握し、修景整備のための整備方針・事業計画を策定。 (6)歴史まちづくりの普及啓発等促進 シンポジウムや地域団体と連携したイベントの開催、子どもたちの歴史・文化の学習に対する支援活動等の普及啓発を実施。 ----------------------------- # 東京大学 生産技術研究所との連携が本格的に始まります ----------------------------- 去る3月23日、和歌山市や地域の方々と連携したさまざまな研究への取組をさらに深化させるため、東京大学 生産技術研究所と和歌山市との間で、相互協力・連携に関する基本協定書を結びました。 今後、駐在型研究拠点である「東京大学 生産技術研究所 加太分室 地域ラボ(東京大学 地域ラボ 加太)」の設置を目指し、空き家問題などの地域課題の解決や「デザイン」による魅力向上などの連携協力を進めていく予定です。 3月23日 協定式の様子 加太分室に駐在する青木特任助教と、今回の取組でタッグを組む地元の方々にお話しをお伺いしました。 東京大学 生産技術研究所 特任助教 青木佳子(あおき よしこ)さん 今までは、年に数回加太を訪れ、集落の空家の調査や講演会などを開いてきました。でも、調査・研究を進めていく中で、やはり本当の課題は住んでみないとわからないし、インタビューを取ることはできても、その背景にあるものは暮らしてみて初めて見えてくるのかなと感じていました。加太は人があたたかく、夕日がきれいだとか、観光があるとかいろいろいい所がありますが、加太の抱える問題は他の地域の問題でもあるので、加太での課題解決に取り組むなかで見えてくるものを、他の地域の問題解決に繋げたいと思っています。 今回、市と連携協定させていただけたので、これまでできなかった大きいことができるだろうな、と楽しみにしています。また、これを機に、市内のいろんな教育機関と連携して、大学が地域課題に取り組むひとつのロールモデルみたいなものになればと思っています。 加太地域活性化協議会会長 尾家賢司(おいえ けんじ)さん 東京大学とは2014年からのお付き合いで、経済産業省の事業でタッグを組んだのが始まりです。この時は、電力の自給自足についての調査で各世帯の電力消費量を調べることが必要になり、私たちが窓口となって住民に協力を依頼するお手伝いをさせていただきました。今回、生産技術研究所の加太分室を設けられるということで、調査・研究が本格化し、我々住民側も気の引き締まる思いをしています。この取組自体をもっとたくさんの加太地域の住民や他の地域の和歌山市民の方にも知ってもらい、さらなる協力体制を作り上げ、持続可能なまちづくりへの関心を高めていくことが必要ではないかと思っています。さらに、さまざまな研究成果を、今後どのように地域に生かし、行動していくか。その仕組みづくりについても、今回の連携協定の中で一緒に考えていけるのではないかと期待しています。 加太小学校育友会会長 稲野雅則(いねの まさのり)さん 加太の新しい可能性を発掘する! ----------------------------------------- # 新しいまちの顔 お城周辺が変わります ----------------------------------------- 新しい市民会館、和歌山県立医科大学薬学部の完成を3年後に控え、和歌山城北側のけやき大通り沿いのまちなみが大きく変わろうとしています。和歌山市のシンボルでもある和歌山城の前において歩道が拡幅されることに伴い、人々が集い憩う交流空間を創出し回遊性を高めながらエリア一体の価値が向上することを目指して(仮称)和歌山城前広場及び市道中橋線について各々の施設との調和を図った整備を進めていきます。 市道中橋線 和歌山城前広場 和歌山城前広場の整備イメージ まちなかを楽しくする♪ 和歌山城もどんどん楽しくなってきます 今年で再建60周年となる和歌山城は、訪れる方々にさらに楽しんでいただくため、天守閣前広場の売店を「お天守茶屋(おてんすちゃや)」としてリニューアルし、軽い飲食もできるようにしています。また、お城の動物園は、今後、動物たちと触れ合えるような事業も企画していく予定です。そのほか大奥や能舞台の復元をしていくための文化財調査にも着手し和歌山城の魅力を磨き上げ、さらに人の集まる場所にしていきます。 お天守茶屋リニューアル 大奥復元イメージ リニューアルオープンを機に、今まで以上にお客さんに来てもらえることを楽しみにしています。 観光で来ていただいた方にも地元の方にも喜んでもらえるように、和歌山市の特産品を多く取り揃え、来てよかったと思える接客を心掛けて頑張ります。 お天守茶屋 芝﨑由美子(しばさき ゆみこ)さん -おしらせ- 平成30年4月1日から毎週火曜日は休園日になっています。 ※夏休み期間等は除く。