【2面・3面】 ********************* 11月は「和歌山市人権啓発推進月間」です ********************* --------------------------------------------------------- # 同和問題(部落差別) --------------------------------------------------------- Q.今も同和問題はありますか? A.「土地を購入したいが、○○地区は同和地区か。」 これは市役所にかかってきた電話の内容です。県庁や県内の自治体にも、同様の電話がかかっています。このようなことを聞くのは、同和地区なら購入しない、そこに住めば同和地区と間違えられると考えているのではないでしょうか。または土地を購入するというのは口実で、単に同和地区かどうかだけを知りたい、知って他の目的(結婚・就職差別など)に使いたいと考えているのかもしれません。それは差別につながるものであるとその人に指導・啓発しますが、すぐに電話を切られてしまうことも多々あります。 こうした部落差別の実態を踏まえ、2016(平成28)年に「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。この法律は、今なお部落差別が存在し、その解消は国や地方公共団体の責務であると書かれており、市もこの法律にそって、啓発、相談窓口の開設や必要な施策を進めています。また市民一人ひとりが自分自身の問題として考え取り組んでいくことも大切です。他の人の人権を守ることは、自分の人権を守ることにつながります。差別のない人権が守られる社会をめざしましょう。 ---------------------------------------------- # 女性の人権 Q.女性が自分らしく活躍できる社会の実現のためには何が必要ですか? A.国連は、1979(昭和54)年に「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」を採択しました。国内でも「男女共同参画社会基本法」が1999(平成11)年に施行されるなど男女がともに輝ける社会の実現に向けてさまざまな取組が進められています。しかし、残念なことに最近の報道でも女性に対するセクハラなどの人権侵害事件や、「女性である」という理由だけで、医学部の入学試験において、不平等な取り扱いを受けるといったことが大きな社会問題になっています。これらの背景には生物学的な性別とは別に、社会的・文化的に作られた性別(ジェンダー)にもとづく偏見が根強く社会に残されていることが考えられます。 すべての人が自分らしい生き方を実現させるためには、「男だから、女だから」と固定的に役割を決めるのではなく、一人ひとりが個人として「自分の良さ」を伸ばし、女性にとっても働きやすい環境や制度を整えることが重要です。誰もが幸せに生きられる社会に向け、家庭や職場、また地域においても性別や年齢にかかわりなく、お互いを思い合う人権尊重の意識を高めていきましょう。 ---------------------------------------------- # 子どもの人権 ---------------------------------------------- Q.子どもの人権を大切にした子育てをするには、どのようなことをしていけばいいのでしょうか? A.2015(平成27)年の国際学力調査において、日本の子どもたちの学力が高くなってきた反面、他国に比べると自尊感情が低いという結果が出ました。自尊感情とは、自分自身を価値ある者だと感じる気持ちです。そのため、自尊感情の高い人は何事にも積極的に取り組み、自分の可能性を広げていきます。こうしたことから、子育てにおいて、子どもの自尊感情を高めていくことが必要です。 具体的に言うと、子どものさまざまな興味・関心や気づきを大いに認めていくことが大切です。このことは、子どもに自信を持たせ、学習への意欲も高めていきます。また、親がすべてを決めてしまうのではなく、できるだけ子どもに考えさせ、決定する機会を多くすることです。こうした積み重ねが、前向きに毎日の生活を送ろうとする姿勢を生み出していきます。 私たち大人が子どもたちのお手本として、自分も人も大切にしていくことが大事です。そんな大人の姿に接した子どもたちは、きっと自分も含めたすべての人たちの人権を守ろうとする人間へと成長するでしょう。 ---------------------------------------------- # 障がいのある人の人権 ---------------------------------------------- Q.障害者差別解消法の合理的配慮とはなんですか? A.2016(平成28)年4月に障害者差別解消法が施行されました。この法律では、「合理的配慮の提供」を求めています。障がいのある人は、社会の中にあるバリアによって生活しづらい場合があります。この法律では、市役所などの行政や、会社やお店などの事業者が、障がいのある人に対して、正当な理由なく、障がいを理由として差別することを禁止しています。 私たちが日常生活において、心がけていくことは、例えば、車いすに乗った人が段差でお店に入れず困っている場合には、乗り越えるようサポートをしたり、聴覚に障がいのある人には筆談で対応したりすることです。障がいのある人に対して、どのようなことができるだろうかと難しく考えなくても大丈夫です。きっと私たちにできることは、私たちが思っている以上にたくさんあるはずです。まず、障がいのある人が困っていると思われるときは、声をかけることから始めると良いかもしれませんね。 障がいのある人もない人も相手を尊重して、共生できるような社会にしていきましょう。 ---------------------------------------------- # 高齢者の人権 ---------------------------------------------- Q.高齢者の人権を守るために、どのようなことをしていけばいいのでしょうか? A.高齢化は世界的な規模で急激に進んでいます。日本も20年後には、3人に1人が65歳以上という本格的な高齢化社会が到来すると予想されています。 しかし、高齢化社会を迎えるにあたり、高齢者の人権に関わる問題が起きています。 それは「豊かな知識や経験がありながらも、年齢を理由に就業や社会参加が制限される」「介護を要する高齢者が身体的・精神的な虐待を受ける」などの問題です。 和歌山市では、高齢者の方の社会参画の一つとして、家庭・学校・地域が一つになって子育てをしていくコミュニティスクールがスタートしています。 ここでは、高齢者の方が長年、培ってきた豊富な知識や経験が必要とされています。そして、周囲にいる人々も高齢者の方を尊重しようとする意識を一人ひとりが持ち、あらゆる世代の人にとって住みよい社会をつくっていきましょう。 ---------------------------------------------- # インターネットにおける人権侵害 ---------------------------------------------- Q.インターネットで人権侵害になるって、どんなことでしょうか? A.携帯電話、特にスマートフォンの急速な普及に伴い、子どもたちにとっても身近なものとなり、インターネットに接する機会が増えて生活にかかせないものとなっています。 その一方で、インターネットを悪用し、同和問題(部落差別)や外国人、障がいのある人などに関する差別的な表現の書き込みなど、インターネット上での人権侵害が大きな問題となっています。 インターネット上では、たとえ本人が書き込んだ場合でも、容易に消せない掲示板もあり、また、消しても拡散する危険性も含まれているため、深刻な人権問題へと発展します。 そのため、和歌山市ではインターネットにおける掲示板などへの悪質な差別書き込みに対し、削除を目的にモニタリングを実施しています。書き込む前には内容をよく考え、直接人と接するときと同じようにルールやモラルを守り、相手を思いやる気持ちを大事にしましょう。