【2~4面】 ************************************************** # 新春対談 ―学生とともに新時代に向けたまちづくり― ************************************************** 今回の対談では、昨年4月に雄湊小学校跡に開学した東京医療保健大学和歌山看護学部学部長 八島妙子氏と、今年4月に本町小学校跡に開学する和歌山信愛大学教育学部学部長 大山輝光氏をお迎えし、「学生とともに新時代に向けたまちづくり」をテーマに語りました。 和歌山市長 尾花 正啓 × 東京医療保健大学 和歌山看護学部 学部長 八島 妙子 × 和歌山信愛大学 教育学部 学部長 大山 輝光 ▼新年を迎え 市長 あけましておめでとうございます。今年は新天皇が即位され、新元号に変わります。何か新しい時代の幕開けを感じますね。今は、AI・IoT・ロボットなどの技術革新が私たちの生活を変える、そんな時代になっています。和歌山市も今年はそうした準備を整えていきたいと思っています。 ▼大学誘致の取組 市長 本市はこれまで大学誘致を積極的に進めてきましたが、これには大きな3つの目的があります。一つは若い人の人口流出を何とか止めたいということ。2つ目は、学生さんの行動がまちなかの賑わいにつながること。3つ目は人材不足となっている専門職の学生を養成したい。そういう思いで大学誘致に取り組んできました。 また本市の誘致活動の特徴に、市内の空き校舎となった小学校をそのまま残して活用することがありました。その利点は工事期間が短くなり、初期投資がすごく抑えられることにあります。今回お迎えした両校もほとんど改修費程度で開学でき、ありがたく思っています。 ▼地域との交流 八島 昨年は「紀州おどり ぶんだら節」に多くの学生が参加し、地域の方に踊りをご指導いただくなど、地域に受け入れていただいた印象を受けました。11月には本学の大学祭である「医愛祭」を行いました。100人ほどの学生数で心配していたんですが、地域の方に大学を知っていただきたいという思いがあり開催に至りました。2日間、地域の方々が大勢参加され、皆さまと一緒にお祭りを盛り上げていただいたなと感じております。 市長 そうなんですよ。1年生の学生だけで本当に学園祭をやってもらえるかなって心配していたんですが、本当に立派な学園祭をやって頂いて、学外からも多くの方が来てくれていました。 大山 私たちは、まちに暮らすとか、一緒に生活する地域への愛着とか、地域の課題を自分のものにするという考えをとても大切にしています。新キャンパスでは、あえて食堂を作らずに、まちに出てお弁当を買ってきたり、近くの店で食べてこられるように、お昼休みを1時間と長く設定したりという工夫をしています。設置審査の際も、大学周辺のお店や食事マップを作ったらいいというようなアドバイスもいただきました。 市長 ぜひ協力していただいて、良い学生マップができればなあと思います。 信愛大学さんの開学予定地である本町公園周辺の施設も整備が進んでいます。「本町認定こども園」や「こども総合支援センター」を複合施設として整備しており、子供たちの福祉と教育の総合的な場になるんじゃないかと思っています。 大山 私たちの短期大学では「木のおうち」や「子育て広場」という支援活動を行っています。これは子育て中の親子を支援する全国的にも先進的な取組です。和歌山市から保育士さんに来ていただいており、年間の利用者数が延べ8000人を超えています。信愛大学の隣にこういう支援センターなどができることで、和歌山市と本学が連携する大きな拠点となると考え、他大学とも連携しながら、和歌山の子育て支援と教育の充実を図っていきたいと考えております。 ▼地域への愛着 八島 地域への愛着という点では、本校は和歌山の医療を担っていく学生としての自覚を促す目的で「わかやま学」を設けております。これは、地元で学んで、地元を愛し、地元に就職するという「地学地就」を推進する科目です。和歌山市長をはじめ7人のゲストスピーカーの方にも講義を行っていただきました。 市長 はい、市長という立場から、和歌山市の歴史・文化・自然・観光・産業・食といった幅広い分野の授業をさせていただきました。学生の反応も良く、結構興味を持っていただいたかなと感じています。 まずはこのような授業を通じて、和歌山市のことを知ってもらうことが第一歩です。それが愛着につながり、市内のいろんなところに出かけてもらえる。そして、ゆくゆくは和歌山市で就職や定住をしてくれたらなと思います。これからも「わかやま学」はぜひ続けてください。 ▼学生の活動の場 市長 両大学の開学により、まちには次々と学生が増えていきます。今後、さらにまちなかに大学が増える予定で、これは本当にすごいことだなと思います。 新しい南海和歌山市駅には市民図書館が秋にオープンする予定です。その隣に統計局の統計データ利活用センターが去年の4月にオープンし、近くには市立博物館もあります。まさに市駅周辺が、知の拠点となっていきます。和歌山城の北側には新しい市民会館(仮称・市民文化交流センター)ができて、芸術文化の発信拠点になります。また、学生がフィールドワーク・課外活動に活用できる場もあります。一つは去年の12月に加太にオープンしたばかりの青少年国際交流センターです。もう一つ、タマ駅長で有名な貴志川線の沿線にある四季の郷公園も新しくなります。このように、まちなかや市内のいたるところに拠点・フィールドができることで、まち全体がキャンパスになっていくんじゃないかなと思います。 ▼学生の交流の場 市長 学生の連携、さらに地域との連携については、フォルテワジマさんの中に市の施設で「和歌山市NPO・ボランティアサロン」というのがありますが、こちらを連携のプラットフォームにしていきたいですね。ここを中心に、連携しやすくなることで、学生の皆さんにはぜひ、自分たちの未来のまちは自分たちで創っていくんだって感じてもらい、より賑やかなまちにしていただければなと思います。 八島 看護の分野ではいま、住み慣れた地域で療養することが大事になってきており、地域包括ケアシステムが進んでいます。そのため看護職は病院や学校で学ぶだけでなくて、地域に出向き多くの職種の方と一緒に学ぶ、連携教育が大事です。市長のお話をお聞きして、皆さまと連携して教育をしていきたいと強く感じました。 大山 いま、全国で大学連携が進んでいるんですね。やはりこれからの時代を切り開いていくためには、学生同士、学生と地域など人と人との出会いが大事だということなんです。さまざまな場ができるということは、人と人の出会い、学生が活動する場が広がるということですから、それらの中から新しい価値とか、新しいものというのは生まれてくるのではないかなと思いますね。 ▼対談を終えてのメッセージ 市長 今年は和歌山県でねんりんピックが開催され、県外から多くの方が来られます。また来年には東京オリンピック・パラリンピックが、その翌年には和歌山県では初開催となる国民文化祭や関西ワールドマスターズが控えています。さらに、2025年には大阪万博も決まりました。今後、国内外から多くの方が関西に来られることになります。関西国際空港にも非常に近いこともあり、和歌山市もぜひこうした方々をお迎えして、交流を広げていければと思っています。 今もいろいろな方々がまちづくり活動をしていただいていますが、こうした流れの中に、これからは新しい学生の皆さんにも加わっていただいて、この和歌山の未来を新しく切り開いていっていただければと思います。皆さんまた今年もよろしくお願い申し上げます。 【写真】第1回大学祭「医愛祭」 【画像】複合施設(完成イメージ・2020年開設) ・(仮称)本町認定こども園 ・こども総合支援センター 【写真】「木のおうち」「子育て広場」 【写真】尾花市長による「わかやま学」講義 【画像】市民会館(仮称)市民文化交流センター(完成イメージ) 【画像】南海和歌山市駅(完成イメージ) 【写真】青少年国際交流センター 対談の内容は、「2019年 和歌山市新春特別番組」として収録したものを一部抜粋し、編集したものです。 番組の放送は、【テレビ和歌山】1月1日(火曜日)11時~/再放送1月3日(木曜日)17時~です。ぜひご覧ください。 ●東京医療保健大学和歌山看護学部 大学の概要・開学9か月を振返り 平成28年5月に和歌山県、和歌山市、日本赤十字社和歌山医療センター及び東京医療保健大学の4者の合意のもと、東京医療保健大学和歌山看護学部は昨年4月に開学いたしました。東京医療保健大学は和歌山にはなじみのない大学だと思いますが、県内の高校生から関心を持って頂き多くの高校生が受験してくださいました。その結果、定員は90人ですが104人の入学生を迎えることができ、和歌山看護学部がスタートしました。 本学は、地域の中核医療機関との強力な連携により、現場に即した学びを実現してまいりました。和歌山看護学部も日本赤十字社和歌山医療センターとの連携が整いました。私たちは、地域を理解し、地域を愛し、地域社会の看護を創造しうる「地域」を支える看護専門職の育成をしたいと思っております。 ●和歌山信愛大学教育学部 大学の概要・開学を4月に控え 平成28年12月に市と設置協定を結んでから2年間、本町小学校の校舎をリノベーションし、大学にふさわしい教育環境を整えてきました。また、学生の新しい発想や、主体的な学びを促すために、すべての講義室に電子黒板を設けたり、窓を大きくとるなど、まち全体をキャンパスと考えて、学外に出て地域と交流できるオープンな環境を作りました。1学年80人の男女共学で小学校と幼稚園、保育園の先生を養成します。また教育学の知識を活かして、地域を支える人材を育てたいと思っています。特に今の小学生の35~40%が22世紀の世界を見ると言われ、同時に半数以上の子供たちが今はない職業に就くだろうという時代に突入します。このような時代に入ることを見据え、和歌山信愛が今まで積み重ねてきた心の教育であったり、自分自身で地域社会を、可能性を切り開いていける、そういうキャリア教育・専門教育を心掛けていきたいと考えています。 【5面】 ************************************************** # 平成31年 年頭のごあいさつ ************************************************** ▼和歌山市長 尾花 正啓 あけましておめでとうございます。 市長として2期目を担わせていただくことになって、初めての新春を迎えることになりました。 今年は、様々な取組が本格的に動き出す1年です。春には、まちなか大学誘致の2校目となる和歌山信愛大学教育学部の開学、秋には、南海和歌山市駅に市民図書館がオープンします。 これからも、まちは成長していきますが、肝心なのはそこで人が輝くことです。人が輝いてはじめて和歌山市の未来の発展が見えてきます。私は、市民一人ひとりが活躍し、輝くためには、世代間を越えて、様々な環境にある人々がつながり合える環境が重要だと考えています。 人々の「つながり」は、日常生活における高齢者の困りごとへの対応、子育て相談から地域資源の活用など、健康・福祉・防災・教育・産業・まちづくりといったあらゆる分野で無限の可能性を引き出し、まちを輝かせます。 今後、多様な主体がつながる場となるプラットフォームづくりを進めるとともに、様々な取組を持続可能なものとするため、人工知能やロボットなどの技術革新による新しい社会への対応の準備をしていきます。 誰もが地域に誇りと愛着をもてるまちづくりを進め、そして活力と魅力ある都市「きらり 輝く 元気和歌山市」の実現に向けて前進して参ります。 最後になりましたが、本年が市民の皆様にとって、素晴らしい年となることをお祈りいたします。 ▼和歌山市議会議長 松井 紀博 新年あけましておめでとうございます。 市民の皆様には健康で希望に満ちた新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。 議会は市民の皆様にとって「見える」「伝わる」「分かる」ことが非常に重要であることから、和歌山市議会公式フェイスブックページの運用やPR動画を用いた新たな情報発信を始めました。またこれまでも、議場での傍聴が困難な場合にもご覧いただけるよう本会議の映像をインターネット配信してきましたが、更に今年度からは、委員会の映像についてもインターネット配信を始めるなど、今まで以上に積極的な情報発信を行っています。 また、昨年2月の定例会において「2025年国際博覧会の誘致に関する決議」を議決するなど、誘致活動の支援に取り組んできたところ、同年11月、2025年に国際博覧会、いわゆる万博が大阪・関西で開催されることが決定しました。 市議会といたしましては、この絶好の機会を逃すことなく、関西国際空港に近接するという立地を生かしながら、的確に市の活性化に結びつくような施策や魅力あるまちづくりの実現に向けた取組はもちろん、更なる情報発信により、市民の皆様に信頼され、いつでも安心して任せていただけるような議会を目指して取り組んで参りたいと存じます。 結びに、市民の皆様におかれましては、本年が幸多き年となりますことをお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。