【2~3面】 ************************************************** # 特集 ************************************************** -------------------------------------------------- # 紀州徳川家入国400 年 〜現在(いま)の和歌山市から 江戸(むかし)の和歌山市を知る〜 -------------------------------------------------- わしらが過ごした町の町名が今も残っているではないか! 令和の時代も楽しく暮らしているかしら? 今から400年前の1619(元和五)年、徳川家康の10男である頼宣が紀州へ入国しました。今回の特集は入国400年にあたる節目の年にちなみ、初代藩主の頼宣や紀州徳川家の歴史、現在(いま)もなお続く和歌山市の地名について、市立博物館の学芸員にお話を伺います。 Q なぜ紀州に徳川家が入国したのですか? A 江戸幕府を開いた徳川家康が1616年に亡くなり、子の秀忠が跡を継ぎました。秀忠は家康ほどのカリスマ性を持たなかったので、幕府の権力基盤をゆるぎないものにする必要がありました。そこで、まだ不十分だった西日本の支配を強化するため、幕府が管理する大坂城を中心として、その周辺に徳川家の一族や昔からの家臣を配置しました。紀州は大坂から近く、海上交通の要衝でもあったので、秀忠の弟である徳川頼宣を配置することにしたのです。 Q 初代藩主の徳川頼宣はどういう人でしたか? A 頼宣は徳川家康の10男で、のちに将軍になる徳川吉宗の祖父です。文武両道で、領民思いであったことが伝わっています。例えば、頼宣が領民に与えた父母状では、父母への孝行や法律を守ること、慎み深く生きること、正直であることの大切さを説いています。頼宣は領民を抑圧的に支配するのではなく、むしろ教育することで領民の自立を促し、紀州を豊かな国にしようとしたのです。 徳川頼宣肖像 Q 江戸(むかし)の和歌山市を身近に感じるものは何か残っていますか? A 城下町の町名はそのほとんどが今も使われています。例えば、江戸時代初期から鍛冶屋(かじやまち)町や米屋町(こめやまち)など同じ職種・業種の職人や商人たちが集まって住んでいたことや、仲間町(ちゅうげんまち)や田辺丁(たなべちょう)など武士が住んでいたことに由来する町名がたくさん残っています。そのほか、本町(ほんまち)や広瀬通丁(ひろせとおりちょう)など城下町の建設時につけられた町名もあります。鷺ノ森(さぎのもり)、湊(みなと)、岡(おか)などの地名は江戸時代以前にさかのぼる古い地名です。消失した町名が一部ありますが、目に見えない町名も文化財として大切にしていきたいものです。 鷺ノ森遺跡から見つかった江戸時代の徳利。今もある「元博労町(もとばくろうまち)」の地名が記載されており、当時から同じ地名が使われていたことが分かります。 Q 紀州徳川家は、現在も続いているのですか? A 紀州徳川家は、江戸時代が終わると和歌山を離れて東京へ移住しましたが、現在も続いています。現在の当主は19代の徳川宜子(ことこ)氏です。今年徳川家の紀州入国から400年を迎えることを記念して、11月に宜子氏を和歌山にお招きして記念講演会を開催します。 また、初代頼宣についてより多くの人に知っていただくため、10月19日(土曜日)〜11月24日(日曜日)に市立博物館と県立博物館で、特別展「徳川頼宣と紀伊徳川家の名宝」を開催します(※詳細は左上参照)。両館で同時開催する大々的な展示は初めての試みですので、ぜひ一度ご覧ください。 -------------------------------------------------- # 徳川家入国400年記念特別展 徳川頼宣と紀伊徳川家の名宝 -------------------------------------------------- ■問合せ先 市立博物館 電話番号423-0003、県立博物館 電話番号436-8670 ▪日程/10月19日(土曜日)〜11月24日(日曜日) ▪場所/市立博物館、県立博物館 ▪内容/頼宣の父・家康から譲り受けた遺産や、頼宣やゆかりの人物の所用品などを展示。 ▪費用 【市立博物館】一般500円 【県立博物館】一般830円・大学生520円 ※いずれも高校生以下無料。関連行事は19ページへ掲載 和歌山県指定文化財 「海老蒔絵鞍(えびまきえくら)」(紀州東照宮蔵) -------------------------------------------------- # 11月23日(土曜日) 徳川宜子氏記念講演会 -------------------------------------------------- 上記特別展にあわせ、紀州徳川家19代当主の徳川宜子氏の記念講演会を開催します。 紀州徳川家入国400年の記念の年に和歌山にお招きいただき嬉しく思います。 当日を楽しみにしております。 紀州徳川家19代当主 徳川宜子氏 -------------------------------------------------- # 和歌山城 リアル謎解きゲーム第2弾 -------------------------------------------------- VR体験アプリを利用したリアル謎解きゲームの第2弾「紀州徳川家の礎を築いた徳川頼宣の治世」。和歌山城にて開催中! ▪期間/令和2年3月15日(日曜日)までの9時〜17時 ▪場所/和歌山城周辺(受付:15時までにわかやま歴史館) -------------------------------------------------- # 紀州徳川家の参勤交代 -------------------------------------------------- ▪日時/11月2日(土曜日)〜12月8日(日曜日) ▪場所/わかやま歴史館 ▪内容/江戸と和歌山を旅した行列の様子や行程を描いた図、旅行道具などを展示 ▪費用/100円(中学生以下無料) -------------------------------------------------- # 紀州徳川家の歴史を学べる わかやま歴史館 -------------------------------------------------- ■問合せ先 和歌山城整備企画課 電話番号435-1044 和歌山城内の一角(一番丁三番地)にある「わかやま歴史館」。紀州徳川家をはじめ和歌山城や郷土の人物についての展示室、観光案内所、土産品センターがあります。 「南海之鎮(なんかいのしずめ)」の文字が刻まれた獅子の金印。「南海之鎮」とは南海地域を治める役目として、紀州徳川家に伝わる言葉の意味。 -------------------------------------------------- # 「和歌山市の文化財を活かした歴史体感プログラム事業」が、 文化庁の「Living History(生きた歴史体感プログラム)促進事業」に採択されました。 -------------------------------------------------- ■問合せ先 文化振興課 電話番号435-1194 Living History(生きた歴史体感プログラム)は、歴史的な出来事や当時の生活を再現することで、文化財の付加価値を高める事業のこと。 プログラム(1) 『南紀徳川史』に基づく紀州藩に仕えた人々の再現 プログラム(2) 徳川家関係行列図に基づく和歌山城の大名行列の再現 イメージ写真 -------------------------------------------------- # 松平健氏が来和 徳川家入城400年特別番組「南海の鎮」を撮影 -------------------------------------------------- テレビ和歌山特別番組の撮影に合わせ、時代劇ドラマで徳川吉宗を長年演じた俳優の松平健さんが和歌山市を訪れました。松平さんが語り手となり、紀州藩初代藩主・徳川頼宣の足跡をたどります。 ▪放送日時/10月20日(日曜日)20時〜(54分) ▪放送テレビ局/テレビ和歌山(5ch)ほか