【2~3面】 ************************************************** # 特集 ************************************************** -------------------------------------------------- # 命を守るドクターカー -------------------------------------------------- 早いもので、もう12月。今年も残すところあと僅かとなりました。冬場はクリスマスやお正月など楽しいイベントがある一方、急激な温度変化が原因で心筋梗塞になるなど、自宅から救急搬送されるケースが多い時期でもあります。 今回は、医師等が1分1秒でも早く現場に到着することで、救命率の向上などが期待できるドクターカーについて特集。「命を守る」仕組みについて紹介します。 ドクターカーとは 医師、看護師が乗車する救急車のことで、心肺停止や脳出血など、緊急度・重症度の高い症例が疑われる際に出動します。 車内には、薬剤や人工呼吸器などの器材を積載しています。現場到着後すぐに診察が開始され、病院への搬送中に医療が行われるため、救命率の向上や後遺症の低減が期待できます。 本市のドクターカーの沿革 平成26年6月から、平日9時〜17時30分までの間、日本赤十字社和歌山医療センターと共同で、ドクターカーの運用を開始しました。平成29年1月からは、県内初となる365日24時間体制に変更し、同センター内に「常設型和歌山市救急ワークステーション」を設置しました。 また、応急処置がより十分に行えるよう、広い車内空間の確保と高度な処置が行える資器材を積載した高規格救急車を配置し、救急隊をローテーション方式により派遣しています。高規格救急車を配置したことにより、資器材などの保管場所について医師等との共通認識が高まります。そのため、現場活動がスムーズになり、より早期から医療行為が行えるようになりました。 出動件数など 24時間365日体制を始めた平成29年からドクターカーの出動件数が大きく増えています。また、搬送症例については、重症や中等症(入院が必要)の割合が約8割を占めています。このことから、より緊急を要する傷病者に対して、早期治療を提供できていることがわかります。 ドクターカー導入の奏功事例として、心肺停止になった心疾患の傷病者が、医師のみが使用できる薬剤を投与したことで救命できたケースや、作業中に機械に腕を挟まれ出血多量の男性が、医師による応急処置により救命できたケースなどがあります。 -------------------------------------------------- # 常設型和歌山市救急ワークステーションって? -------------------------------------------------- 日本赤十字社和歌山医療センターと和歌山市消防局が連携し、救急隊が病院内で実習を行い、知識・技術の向上を目的とした「教育」の拠点となるとともに、緊急性が高い事案に対しては、救急隊、医師、看護師が救急車に乗組み「ドクターカー」として出動する拠点をいいます。常設型の救急ワークステーションは県内唯一の設置であり、早期から質の高い医療が提供できます。 -------------------------------------------------- # 救急隊員に聞きました! -------------------------------------------------- Q.救急ワークステーションに常駐時、どのようなことをしていますか? 指令センターからドクターカー要請があった場合は、医師・看護師同乗の上、救急現場に出動します。出動以外の場合は、救急搬送された傷病者への医師による診察や処置、看護師のケア補助などを実施しています。救急隊が疑った病態と医師の診察結果を照らし合わせ、疑問点があれば医師に質問し、常に救急医療の知識を習得しようと心掛けています。 また、過去の救急活動を振り返り、改善点を検討するため救急症例検討会を定期的に実施しています。 -------------------------------------------------- # ワークステーションや救急医療に全力を注ぐ -------------------------------------------------- 日本赤十字社和歌山医療センター 高度救命救急センター長 中 大輔 医師 7月に、高度救命救急センター長に就任。平成24年に和歌山県総括災害医療コーディネーターに就任するなど救急医療・災害医療のエキスパート。 和歌山市消防局とのワークステーションや救急医療に全力を注ぎ、今後も地域医療の最後の砦として『ことわらない救急』に邁進し、市民が安心して暮らせるまちづくりに貢献していきたいです。 -------------------------------------------------- # ドクターカー出動のながれ -------------------------------------------------- 【1】救急現場(イメージ)119番通報 【2】和歌山広域消防指令センター ワークステーションへドクターカー出動要請 【3】医師・看護師・救急隊が乗車し現場へ駆け付けます。 -------------------------------------------------- # 救急車の適正利用について みなさまにご理解とご協力をお願いします -------------------------------------------------- 平成31年・令和元年、和歌山市内における救急件数は17,012件(10月末現在)でした。1日の出動件数は約56件ということになります。搬送された方のうち、医師により軽症と診断された方は、全体の約64%を占めています。 救急車の要請が多ければ多いほど、救急車の現場到着までの時間は長くなります。今一度、「救急車の適正利用」についてご協力いただければと思います。ただし、一刻を争う状況であると感じた場合は、迷わず119番通報してください。 ◎緊急時以外はこちらへお問い合わせください 救急車を呼ぶほどではないが、どの医療機関を受診すればよいかわからないとき 和歌山県救急医療情報センター 電話番号426-1199(24時間受付) 子どもの急病で判断に迷ったら 子ども救急相談ダイヤル (携帯電話、プッシュ回線)電話番号♯8000 (ダイヤル回線、IP電話等)電話番号431-8000 ◎全国版救急受信アプリ「Q助」 消防庁が作成したスマホ用アプリ。症状の緊急度を素早く判定し、救急車を呼ぶ目安になります。 消防庁アプリ案内ホームページ -------------------------------------------------- # 年末・年始 急な病気のときは… -------------------------------------------------- 夜間・休日応急診療センター(電話番号425-8181) 夜間・休日応急診療センター ◎夜間診療(センター1階で実施) 【内科・小児科】 12月29日(日曜日)〜1月3日(金曜日)19時〜翌6時 【耳鼻咽喉科】 12月29日(日曜日)〜1月3日(金曜日)19時〜翌6時 ◎休日診療(センター1階で実施) 【内科・小児科】 12月29日(日曜日)〜1月3日(金曜日)10時〜12時、13時〜17時 【耳鼻咽喉科】 12月29日(日曜日)〜1月3日(金曜日)13時〜17時 【歯科】12月29日(日曜日)〜1月4日(土曜日)10時〜12時、13時〜15時 ※歯科(電話番号428-3588)はセンター地下1階で実施 ◎診療時間外の場合〈24時間対応〉 和歌山県救急医療情報センター 電話番号426-1199