【市報わかやま 令和6年3月号】 【表紙】 きらり輝く 元気和歌山市 【2~4面】 ************************************************** いざという時に 〜災害への備えは 普段から準備することが大切です〜 ************************************************** 令和6年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」により倒壊した家屋の様子 -------------------------------------------------- # ある日突然くる地震 -------------------------------------------------- 令和6年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」は、M‌7.6、最大震度7を記録し、能登半島に甚大な被害をもたらしました。日本は地震大国と言われているように、過去にも大きな地震が幾度と発生し、また今後、30年以内には、南海トラフ地震の発生確率が70〜80%と言われています。地震はいつ発生するか分かりません。思い立ったその時に地震に備えて準備をしておくことが大切です。 -------------------------------------------------- # 地震のメカニズムを知る -------------------------------------------------- 地震がどうやって起こるのかを知ることも防災に繋がります。左の図を見ると、日本の下にはフィリピン海プレートやユーラシアプレートなど、4つのプレートがあります。海側のプレートが陸側のプレートの下に年間数センチ程沈み込みます。その際にひずみが蓄積され、陸側のプレートが沈み込みに耐えられなくなり、元に戻ろうと跳ね上がることで地震は発生します。地震の規模をマグニチュード(M)で表し、ある場所がどのくらい揺れたかを10段階で表したものが震度です。マグニチュードの値が1増えると、地震のエネルギーは32倍になるとされています。 「日本付近のプレートの模式図」(気象庁ホームページより) -------------------------------------------------- # 南海トラフ地震とは -------------------------------------------------- 南海トラフ地震はフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むことで発生し、マグニチュードは8〜9、最大震度は7程度となる可能性が高いです。静岡県から宮崎県までと広範囲に影響があるため、津波など被害が甚大となることが想定されています。下の図を見ると、約90年〜150年のサイクルで南海トラフ地震が発生しています。1946年の昭和南海地震は和歌山県・徳島県・高知県を中心に大きな被害をもたらしました。 昭和南海地震 1946年 昭和東南海地震 1944年 安政南海地震・安政東海地震 1854年 宝永地震 1707年 慶長地震 1605年 明応地震 1498年 正平南海地震・正平東海地震 1361年 康和南海地震 1099年 永長東海地震 1096年 仁和地震 887年 白鳳地震 684年 -------------------------------------------------- # 身を守る -------------------------------------------------- いつ発生するか分からない地震。その時に自身がいる状況に合わせた避難行動を取ることが大切です。例えば、家の中にいる際に大きな地震が発生した場合は、枕や座布団等で頭を保護し、タンスや冷蔵庫から離れ、頑丈な机の下など安全な所に避難しましょう。また、急に外に飛び出すことは避け、火元などにも近づかないようにしましょう。街中など屋外にいる際には、看板などの落下物に注意して、建物から離れるようにしてください。ブロック塀や自動販売機等の転倒にも注意が必要です。また、土砂災害や津波の危険がある地域においては、避難経路をあらかじめ確認しておき、スムーズな避難行動をとることが、自身の身を守ることに繋がります。 -------------------------------------------------- # 思い立ったその時に -------------------------------------------------- 備えあれば憂いなし。地震対策は普段からの準備が大切です。ではどういった備えが必要かというと、 (1)ご自宅の耐震性が現行の耐震基準を満たしているか、市の無料耐震診断を利用して確認する。 (2)タンスや冷蔵庫、テレビなどが倒れないように家具を固定する。家具固定には市から補助があります。 (3)ハザードマップを確認し、危険区域かどうか事前に確認しておく。 (4)避難経路や避難場所を調べておく。 (5)災害に遭った際の連絡方法や合流場所を家族で決めておく。 (6)地区や地域の防災訓練に参加し、取るべき行動を事前に把握する。 (7)非常用持ち出し袋の準備や食料品等を備蓄する。 などです。左の一覧は非常持出品の一例です。ぜひ参考にしてください。 -------------------------------------------------- # 市消防局 警防課 消防司令補 大林 正幹(おおばやし まさとも) -------------------------------------------------- 大林さんは、緊急消防援助隊の第二派遣隊として石川県輪島市町野町や渋田町において人命活動や救命活動を行いました。 被災地での活動 町野町には和歌山県から13隊56名が救助に向かい、倒壊家屋から1名発見することができました。翌日には、渋田町で救助活動を行いましたが、道中の道路の亀裂や土砂崩れの影響で、大型重機が入れず助けたくても助られない状況でした。 通信環境も悪く携帯電話の使えないところが多かったため、関係機関との連絡が困難でした。 備えと助け合いが大切 大規模な地震が発生すると、道路や電気、水道などのインフラ設備が機能しなくなります。特に道路の亀裂や陥没が酷く、70cm程の段差が生じてる所もありました。すぐに救助に向かいたくても、どうしても時間がかかったり、現場まで辿りつけないこともあります。まずは、自分の命を守るためにも、自分で備えられる事は最大限に行ってもらい、また、災害が起こった時は、付近の方たちとの助け合いを大切にしてください。 -------------------------------------------------- # 非常持出品(一例) -------------------------------------------------- 飲料水・食料 飲料水(最低1日分) 乾パン・レトルト食品 など 日用品 携帯型ラジオ(乾電池も) 懐中電灯 簡易トイレ(ビニール袋も) ヘルメット・ホイッスル タオル・ブランケット 衣類・下着類 軍手・スリッパ など 救急・衛生用品 絆創膏・消毒液・包帯 常備薬・生理用品 マスク・体温計 など 貴重品 現金・鍵・印鑑 証書類の写し など 詳細はこちら -------------------------------------------------- # 能登町での活動を経て -------------------------------------------------- 住家被害認定士として、石川県能登町に派遣されました。被災された方は共通して「今まで発生した地震では、ほとんど被害がなかったので、大丈夫だと思っていた。」とおっしゃっていました。実際には、多くの家屋に何らかの損壊が発生するとともに、家の中は家具などが倒れ、避難経路が確保できていない状況でした。 本市においても南海トラフ地震等の発生に備えることは喫緊の課題であり、市民一人ひとりが普段から防災について考えておくことは非常に大切なことです。 地震発生時は、大きな家具でも簡単に倒れてくることがあります。怪我をしたり、避難の妨げとなる危険性がありますので、建物の耐震対策を行うとともに、家具を固定したり、配置を工夫するなどの対策も必要です。 また、ライフラインや道路が寸断されることもあります。防災マップで、自宅周辺のハザード情報・避難場所や避難経路を確認するとともに、非常用持ち出し袋や備蓄物資を用意することも重要です。 地域安全課では、災害への備えとして、 ・職員出前講座の実施 ・家具転倒防止用固定金具の取付 ・地震発生時の電気火災を防止する感震ブレーカーの設置補助 ・防災行政無線の放送内容を受信できる防災ラジオの無償貸与 を行っています。 ※各種適用条件等があります。詳しくは、地域安全課 電話番号435-1005まで 地域安全課 辻本 佑輝(つじもと ゆうき) 住家被害認定士として石川県能登町に派遣。 -------------------------------------------------- # あなたの住まいは大丈夫ですか? -------------------------------------------------- 本市では、昭和56年5月31日以前に建築された、いわゆる「旧耐震基準」の木造住宅だけでなく、木造住宅の接合部等の仕様規定が明確化された平成12年6月1日より前に建築された「新耐震基準」の木造住宅も対象に、無料耐震診断を実施しております。(平成12年5月31日以前に建築された木造住宅が対象となります。) 耐震診断の結果、耐震性が低いと診断された住宅は、耐震補強や建替といった、下記の補助メニューがありますので、ご検討の上、活用してください。 ・耐震改修補助 (一定の強さ以上に補強する改修工事に対する補助。最大116万6千円) ・リフォーム補助 (耐震改修工事と同時に行うリフォーム工事の補助。最大10万円) ・建替え補助(戸建て住宅の建替補助。最大116万6千円) ・耐震ベッド、シェルター(住宅の1階への設置に限る。最大26万6千円) また、地震によるブロック塀等の倒壊による被害の軽減や避難経路の寸断を防ぐために、ブロック塀等の耐震対策に対する補助メニューもあります。 ※補助金額は令和5年度の内容を掲載しています。 ※各種適用条件等があります。詳しくは、住宅政策課 住宅耐震班 電話番号435-1099まで -------------------------------------------------- # 災害情報を入手するために 〜事前の確認・登録を〜 -------------------------------------------------- 防災行政無線 放送内容を確認する方法 ◦和歌山市防災情報電話案内サービス 0120-077-199 (通話料無料) ◦和歌山市防災情報メール 登録は次のアドレスへ空メールを送信してください。 E-mail:touroku@bosai-mail.city.wakayama.wakayama.jp ※迷惑メール対策をしている方は、osirase@bosai-mail.city.wakayama.wakayama.jpから受信できるよう設定ください。 ↑アドレス ◦和歌山市ホームページ URL:http://wakayama-city.site.ktaiwork.jp ↑市ホームページ ◦J:COMの防災情報サービス 防災行政無線の音声(全ての放送)が自動で専用端末から放送されます。(有料) 緊急速報メール・エリアメール 携帯電話利用者に、国からのJアラート情報や、市からの避難情報などが送信されます。 ラジオ ◦エフエム和歌山(87.7MHz) ◦NHK ▼ラジオ第1(666kHz) ▼FM(84.7MHz) ◦和歌山放送 ▼AM(1431kHz) ▼ワイドFM(94.2MHz) 和歌山市公式SNS 友だち追加はこちら↑ その他市公式SNS↑ 和歌山市ホームページ 災害時には市ホームページ上に道路状況等のインフラ情報など、詳しい情報を掲載します。 ↑市ホームページ テレビ(データ放送) チャンネルを合わせてdボタンを押すと、データ放送で災害情報を確認できます。 ◦NHKテレビ(1ch) ◦テレビ和歌山(5ch) NTT災害用伝言ダイアル(通話料有料) 声の伝言板として利用できるサービスです。 録音 【1】【7】【1】→【1】→自分の番号→録音 再生 【1】【7】【1】→【2】→相手の番号→再生