【2面・3面】 ********************* 11月は「和歌山市人権啓発推進月間」です ********************* --------------------------------------------------------- # 同和問題(部落差別) --------------------------------------------------------- 同和問題(部落差別)とは、日本社会の歴史的発展過程の中で作られた身分差別にもとづくもので、生まれた場所や住んでいる場所によって差別される重大な人権問題です。 2016年12月に施行された「部落差別の解消の推進に関する法律」では、「現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って状況の変化が生じている」と記されており、近年、インターネットを使った人権侵害が大きな問題となっています。 私たちが日頃利用しているインターネットにおいては、偏見や差別意識にもとづく差別書込み等の誤った情報があふれており、正しい知識がなければ、安易に見過ごしてしまったり、その内容を事実であると信じてしまいます。 本市では、同和問題(部落差別)の解消に向けた啓発活動の一環として、差別書込みの拡散を防止するため、プロバイダに削除要請を行うモニタリング事業を行っています。 すべての人の人権が尊重される差別のない社会の実現に向けて、私たち一人ひとりが同和問題(部落差別)についての正しい知識を持つことが大切です。 --------------------------------------------------------- # 女性の人権 --------------------------------------------------------- 自らの意思で「働きたい」と希望する女性が職業に就くにあたって、より自由に活躍することができるよう取り組みを行うことで、豊かな社会づくりを実現するため、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が制定されました。 わが国では少子高齢化が進んでおり、それに伴う労働人口の不足が見込まれる中、もっと働きたい、もっと自分の力を活かしたいと希望する女性が活躍できる場を増やすことが不可欠となっています。 女性が活躍できる環境を整え、その生き方に自信と誇りを持つことができるとともに、自らの意思により個性と能力が十分に発揮できる機会が確保される社会の実現のためには、働くすべての人が女性の人権を尊重し、自分らしく輝ける生き方を決めることができるよう、より協働しやすい職場をつくっていくことが必要です。 --------------------------------------------------------- # 子どもの人権 --------------------------------------------------------- 1989年11月に国連総会において、すべての子どもの人権を守るため「子どもの権利条約」が採択され、今年で30年を迎えます。 この条約は18歳未満のすべての子どもの権利と、その権利を守るため国や私たちがしなければならないことが書かれています。 しかし、世界には、貧困や紛争、飢餓といった厳しい環境の中で生きることが出来ず亡くなる子どもがたくさんいます。国内においても、近年では子どもの貧困が大きな社会問題となっており、親からの虐待や育児放棄、いじめなどの原因で心や体が傷つけられたり、かけがえのない命が失われたりといったケースも後を絶ちません。 子どもの幸せな笑顔は、私たちの心を和ませ、安心感をもたらします。そして、その子どもたちの笑顔を守ることが出来るのは私たちです。 子どもも一人の人間として人権が最大限に尊重され、心身ともに健やかに育っていくために、地域全体で子どもを見守り、育てて行くことが大切です。 --------------------------------------------------------- # 高齢者の人権 --------------------------------------------------------- わが国では、医療技術の進歩や生活環境の改善により平均寿命が伸びるとともに、生涯現役を目指して活躍する高齢者が増えています。 その一方、高齢者への虐待や、財産をだまし取る悪質商法や振り込め詐欺、一人暮らしの高齢者の孤独死など、高齢者をめぐる深刻な人権問題も後を絶ちません。これら要因の一つとして、核家族化が進み、一人暮らしの高齢者が地域社会において孤立してしまうことがあげられます。 誰しもいつかは高齢者になるのですから、高齢者の人権問題は、私たち自身の問題として考えていく必要があります。 高齢者の持つ豊かな知識と経験が生かされ、生きがいを持って生活できる社会を実現するためにも、私たちの社会を築いていただいた先輩である高齢者への感謝の気持ちを持ち、日々の生活の中で高齢者との交流を深め、安心して暮らしていける社会を実現していきましょう。 --------------------------------------------------------- # 障がいのある人の人権 --------------------------------------------------------- 全ての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、互いに人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指して、「障害者差別解消法」が制定されました。 この法律では、国及び地方公共団体が、障がいを理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を実施する責務を定めるとともに、私たち国民一人ひとりの責務として、それぞれの立場において、差別の解消の推進に寄与していくことを定めています。 こうした中で、私たち、市民一人ひとりが日常生活の中で心がけていくことは、電車やバスにおいて、車いすを利用する人の乗り降りをサポートしたり、視覚障がい、肢体不自由などがある人には、優先席でなくても席をゆずるといったことなどがあげられます。誰かが何かに困っているときは、「何かお手伝いできることはありませんか?」と尋ねることもいいかもしれません。 私たち、市民相互の思いやりを大切に、ともに生き、ともに暮らせるまちづくりをすすめていきましょう。 --------------------------------------------------------- # 人権の詩(こころのうた) 平成30(2018)年度 受賞作品 知事賞 一般(高校生)の部 --------------------------------------------------------- 作品名 「『誰か』ではなく『私が』」 県立和歌山東高等学校 辻 晴菜さん おばあさんが電車で立っていた。 座るところはない 私は座っていた。 私は「誰か代わってあげてよ」と思った 終点につくまで誰も代わらなかった。 私は後悔した。 「誰か」ではなく 「私が」代わればよかった。 次の日、そのおばあさんは立っていた。 私は座っていた。 「よかったらどうぞ」 おばあさんは 「ありがとう。たすかるわぁ」 その言葉は「誰か」ではなく 「私」への言葉だった。 (公財)和歌山県人権啓発センター