市長記者会見 令和3年2月16日

 

ページ番号1034183  更新日 令和3年3月8日 印刷 

2月市長定例記者会見
【令和3年2月16日(火曜日)午前10時~】

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市長発表事項

発表項目

2月定例市議会提出案件について(令和3年度 予算と主要事業の概要)

 令和3年度の予算と主要事業の概要について説明させていただきたいと思います。非常に量が多いので、主要なところ、特に私の思いの強いところを説明させていただければと思います。
 まず、和歌山市の現在の状況でございます。昨年はコロナ禍ということでいろいろ社会の状況も変わりました。今までの流れ、さらに新しい流れを踏まえて予算の主要事業を決めております。
 和歌山市の現在の状況でございますが、人口動態につきましては、和歌山市は昭和49年から人口流出が流入を上回ることとなってしまいました。それ以来、45年間にわたって、流出が流入を上回るというようなことが続いていました。ただ、令和元年にやっと、46年ぶりに転入超過に転じました。特にここを見ていただいたらわかるんですけども、20代の転出が圧倒的に多かったんですけども、それが大分減ってきて、30代はむしろ転入増になってきています。40代も転入増になってきて、子育て世代の転入が増えてきたということで、46年ぶりですけども、和歌山市の人口が転入超過に転じました。ところがコロナ禍の昨年、和歌山市では特に前半の部分で転出が多い状況でした。東京の状況を見ていただいたらわかるんですけども、東京都は前半が非常に転入超過になって、後半は転出超過になってきています。こうしたことがあって、これからはこの人口動態というのが随分変わってくるだろうなと。特にコロナ禍を受けて、地方に向けた新たな流れっていうのがますます加速してくるんじゃないかなと思っています。和歌山市の将来の人口推計ですけども、特に課題となっているのが高齢化率です。2025年に後期高齢者数がピークとなってきますし、2040年には高齢化率が急激に増加してきます。こうした今後の高齢化社会を受けて、特に若い人、生産年齢人口の流入を増やし、高齢者に向けて支え合いの社会を構築すること、そうしたことが重要になるため、その前提の中で予算を組み立てました。
 令和3年度予算のポイントでございます。まずはコロナ対策をしっかりやるということ。それと、新たな人の流れを受けて、人口対策、人口政策ということに重点を置いていきたいと思います。そして今後の高齢化社会に向けての支え合いの地域共生社会、併せてデジタル化、これらは社会の動きを大きく変えました。コロナ禍においてさらに加速してるわけなんですけども、これら4点を今年度の重点とし、令和3年度予算は地方創生の新たな潮流を的確にとらえて持続的な発展を遂げる、「暮らしを守り、未来へ希望をつなぐ予算」というふうにさせていただきました。
 まず、コロナ対策でございます。コロナ禍がこれほど長期に及んでくるというのはあまり誰も考えていなかったと思うんですけども、そうした中で、まず感染防止対策を継続、強化していきたいと思っています。今までも行っていた相談窓口の設置、妊産婦さんへの分娩前PCR検査であるとか、特に介護施設や保育所、児童福祉施設等での感染症対策というのを強化していきたいと思っています。また、併せて塚本治雄様から多額の寄附をいただきましたので、その寄附金を基に医療従事者への慰労金給付を今議会へ上げさせていただいています。
 さらに事業者に対する支援、経済対策でございます。昨年は、特に中小企業者の方の廃業、休業が増えました。倒産件数は例年並みなんですけども、廃業、休業が非常に増えており、前年に比べ3割ほど増えています。そんな中、特に中小企業者が事業を継続できるように、そして廃業、休業に至らないようにということで、国の事業再構築支援を活用し、さらに市が上乗せ負担をすることによって、自己資金をあまり出さなくても事業継続あるいは廃業、休業を避けることができるということに力を入れていきたいと思っています。非常に長期に影響が出ている中で、中小企業の方が非常に大変な思いをされている中で、そうした廃業、休業を避けていきたい、そういったところに力を入れていきたいと思っています。
 それと、今後の感染防止対策の決め手ということで、免疫のできるコロナワクチンについての状況でございます。今のところ国の方からはっきりとした、ワクチンの納入時期などがまだ示されていない中ですが、和歌山市としては4月の高齢者の接種に向けて、今、準備を進めているところでございます。そして、保健所体制の強化であるとか接触者検診の拡充、こうしたことにも力を入れていきます。できるだけ速やかに高齢者への接種、そして引き続き、基礎疾患がある方や一般の方への接種をできるだけ速やかに行い、集団免疫をつけていけるように努力してまいります。
 ここからは長期総合計画の分野別目標に沿ってご説明させていただきます。
 まず一つ目は「安定した雇用を生み出す産業が元気なまち」ということで、新年度は特に、移住に重点を置いた企業誘致に力を入れていきたいと思っています。今まで市内産業育成であるとか雇用の確保、そうしたことに力を入れてきたんですけども、さらに加えて、新しい流れを受けて移住に重点を置いた企業誘致に力を入れていきたいと思っています。そんな中で新たに創設したのがサテライトオフィス等の提供施設整備補助でございます。これはテナントビジネスというか先端企業等を誘致するためのビル等を整備するための補助金、あるいはそこに入っていただく、そのオフィスに進出していただく企業に対しての補助制度というのを新規で設けさせていただきました。特に大都市部からサテライトオフィスとして事務所を移したいと考えている企業に対しての支援を拡充することによって、人を呼び込んでいきたいと思っています。もう一つは企業立地促進奨励金制度です。これも拡充させていただきました。まず雇用奨励金の限度額を4,000万円から1億円まで引き上げさせていただくとともに、非常に大きな人員を伴う企業については、上限額を10億円まで引き上げさせていただきました。和歌山県も10億円を上限にしていますので、併せて20億円の上限額ということになりますので、これにより大きな企業も呼び込んでいきたいと思っています。
 次は11ページです。オールシーズン分散型観光の推進ということで、特に観光政策について、今までは冬季にどうしてもお客さんが来ず、閑散としていました。夏場に集中して密になったり、秋の行楽シーズンに密になったりしていましたので、できるだけ分散型観光ということで、すべてのシーズンでお客さんを分散して呼び込める体制をとっていきたいと思っています。そんな中、特に新年度で力が入るところとして、太平洋岸自転車道サイクリングルートの活用というのがございます。太平洋岸自転車道というのは千葉の銚子から和歌山市の加太までの約1,500キロメートルについて、ナショナルサイクルルートの候補ルートに選定されました。非常にありがたいことで、是非ともナショナルサイクルルートに認定されればと思っているんですけれども、終点部分が和歌山市の加太になります。3月には自転車モニュメントを加太に設置して、太平洋岸自転車道ナショナルサイクルルート候補の終点であるということを明示していって、多くのサイクリストを呼び込んでいきたいと思っています。そうした観光であるとか、またナイトタイムエコノミーの推進として魅力ある商店街づくりの支援についても引き続き実施してまいりたいと思っています。それと主要観光地については、特に今年は国民文化祭等もございますので、そうした文化、歴史に力を入れて整備をしていくことによって観光客を呼び込みたいと思っています。和歌浦については万葉をテーマにした魅力ある景観づくり等を積極的にやっていきたいと思っています。さらに葛城修験が昨年、日本遺産に認定されました。こうした加太においての日本遺産葛城修験の活用であるとか、夜間景観の創出にも力を入れていきたいと思っています。
 次のページですけども、四季の郷公園が昨年、道の駅としてリニューアルオープンしました。民間の方が非常に上手く作ってくれまして、非常に多くの方で賑わっています。全体が非常に広い面積ですので、うまく活用していきたいと思っています。大型遊具等は民間活力も利用して整備し、公園全体を活用していきたいと思っています。令和4年のフルオープンを目指し、関西有数の公園となるようにやっていきたいと思っています。
 次のページはIR、統合型リゾートの誘致でございます。今現在の動きとしましては、春頃にIR事業者の選定を県の方でされることになっています。これは選定委員会の方でされることになっているんですけども、現在は提案を受けまして審査中でございます。そして春頃にはIR事業者が選定されて、和歌山市としては県とともに住民説明会等において、そのメリット、デメリット等についても説明させていただきたいと思っています。新年度はIRについて決定していく時期になってきますので、市、県としての対応というのをしっかりと検討していきたいと思っています。IRはカジノ施設以外にも、家族で楽しめるエンターテイメント施設であるとか、またビジネスチャンスの向上に繋がるMICE施設、さらに宿泊観光客を呼べる宿泊施設等、様々な施設がございます。非常に経済効果も大きいということで、この効果を区域内だけでなく、IR区域外、市全体、さらには県全体に活性化を及ぼすように検討していきたいと思っています。
 二つ目の大きな項目です。「住みたいと選ばれる魅力あふれるまち」ということで、これはまさに人口政策とも関係してくるんですけども、住みたいと選ばれるのは当然ですけど、今現在住んでいる人が、これからも住み続けたいと選んでいただく、それが流出抑制にも繋がります。そういったことで今回、様々な政策を提案させていただいています。
 まず、移住定住の促進でございます。東京方面はなかなか難しいかもわからないんですけども、県外からの移住者支援ということで全国に拡大させていただきました。まず東京23区からの移住者支援の対象を拡大し、国の補助と併せて、世帯では100万円、単身の方は60万円、あと東京以外からは、50万円、30万円ということで、和歌山市へ転入して移住していただき、そこに補助をさせていただくということで、今回、条件等も拡大させていただいています。例えば、東京23区からであれば関係人口の方も支援金の対象になってきます。関係人口というのは、例えばふるさと納税をしてくれている和歌山ファンの方であるとか、お試し居住等で1回住んでみたことのある方とか、何らかの関係のある方を関係人口とさせていただいて、そうした方もこの移住者支援の対象にさせていただいています。テレワークであるとかワーケーションの導入、さらには移住者受入体制の整備、これも非常に大事だと思っているんですけども、やはり地域全体で受け入れていただけるような、そうした体制をしっかりと整えていきたいと思っています。
 次のページをお願いします。二つの玄関口の活性化ということで、和歌山市の大きな玄関口である南海和歌山市駅、そしてJR和歌山駅。この二つの玄関口を新たに活性化し、魅力を上げていきたいと思っています。まず、南海和歌山市駅周辺で現市民会館の跡地の民間活用。現在、提案募集をさせていただいております。非常に多くの方から問い合わせがあって、県外の企業さんからも問い合わせがきているところでございます。もう一つはJR和歌山駅東口の民間活用。これも現在、民間活用について提案募集をしているところでございます。新年度についてはこの二つについて、それぞれ民間のノウハウを活用して方向性を決めていきたいというふうに考えています。
 次のページです。中心市街地の魅力向上ということで、10月23日がこけら落としの予定なんですけども、和歌山城ホールが完成します。こけら落としの後には国民文化祭が控えているわけなんですけども、新しくこの和歌山城ホールが和歌山城の前に、芸術・文化の創造の拠点として整備され、供用されることになります。もう一つはこの周辺、市役所前でございますが、(仮称)城前広場の整備が完了してまいります。夏までには整備が完了しますので、非常に魅力のある空間で、特にここも和歌山城の目の前ということで、和歌山城と一体的な活用をこの広場でしていきたいというふうに考えています。また市道中橋線については天守閣がまともに見える位置にあるということで、この中橋線についても歩きたくなるような、そんな通りにしていければということで、こちらの整備も進めてまいります。また和歌山城そのものでございます。和歌山城そのものについては紀州徳川家の居城であったというところをもっと強調していきたいと思っています。文化についてはなかなか今まで保存されたものが少なかったんですけども、リビングヒストリーという文化庁の補助を使って、江戸時代の生きた歴史を再現することになりました。令和3年度は火消しであったり大名行列の道具等、この大名行列の再現をしていければというふうに思っています。それと和歌山城については石垣を保全していこうと。特に木の根が石垣を壊すような状況になってきています。そうした中で木を伐採することによって石垣を保全する。石垣を保全することで和歌山城の見え方が変わってきています。非常に立派な、もともとの徳川御三家の和歌山城に近い形の天守閣の見え方、それをできるだけ再現できればということで、段階的に、目に見える形で和歌山城の復元に取り組んでまいります。
 次のページです。まちなかで民間の方の活動が非常に活発になってきました。まちなかエリアプラットフォーム和歌山が今年度設置されています。そうした民間の方の活動を通じて、活性化のためのいろんな事業であるとかイベントをやっていただければというふうに考えています。新たな部分としては、砂山・今福のまちづくりの中で地域交流センター、今で言うコミセンなんですけども、地域交流センターが新しく整備されることになりました。これは令和3年度から事業に着手してまいります。
 次のページで、今年は何といっても紀の国わかやま文化祭2021、そしてそれに先立って紀の国わかやま総文2021が開催されます。高校生の祭典、そして一般の方の文化の祭典を通じて、和歌山市の文化活動というのをさらに活発にできればということと、和歌山市の歴史文化を全国に発信するよい機会にもなると思いますので、今年は文化の年という位置付けで、文化芸術活動というのを活発にやっていきたいと思っています。そんな中で有吉佐和子邸の復元につきましては、これは杉並区にある有吉佐和子さんの居宅を移してくるものでございます。全面的な移転というのではなくて、復元的に整備することになっています。塚本治雄さんから頂いた支援の一部を有吉佐和子邸の復元に充てていきたいというふうに考えています。
 次は環境に対する、特にSDGsの関係でございます。今年度、民間の方に対するSDGsの普及に努めてまいりました。新年度からは、こういったことを和歌山市の中でもしっかりやっていこうということで、海をテーマにしてやっていきたいと考えています。和歌山市はもともと、海からいろんな恵みをいただいています。そうした海を大切にしようということで、花王さんとも事業を組ませていただいているんですけども、ペットボトルや海洋プラスチックごみの回収であるとか、回収した海洋プラスチックごみの再生についてなど、そうしたことにも取り組んでいきたいと思っています。
 次、お願いします。スポーツでは和歌山ジャズマラソンが、今年度はオンライン開催とさせていただきました。本来は第20回ということで華々しく開催する予定だったんですけども、これがコロナ禍のためにできなくて、新年度で第20回を改めてやりたいと思っています。名称も和歌山ジャズマラソンに変えましたし、さらにハーフマラソンの出発地点を和歌山城としています。コロナ禍の収束を期待しつつ、来年度は和歌山ジャズマラソンの新たなスタートにしたいと思っています。
 三つ目の大きな分野に入ります。「子供たちがいきいきと育つまち」ということで、子育ての整備であるとか、また子供たちのいきいきとした育ちを応援するということで、三つ目の項目に入らせていただきます。
 まず、安心して子供を産み育てられる環境の整備ということですが、待機児童の解消、これは全国の都市に比べて和歌山市はもともと少ない方だったんですけども、それでも待機児童は減ってきていました。認定こども園ということで、幼保連携型のこども園を民間の方に整備していただいたり、公立の認定こども園を本町と芦原に整備してきたんですけども、そうしたことで収容数というのは十分確保できるようになりましたが、保育士さん等の不足で、なかなかクラスを開設できない、0歳児、1歳児のクラスがなかなか開設できないということで、待機児童数がちょっと下げ止まりになっていました。今後は、保育士さんの養成であるとか、今現在、信愛大学が開校して新たに認定こども園等にも就職していただける、そうした保育士さんが育っているところでございますし、民間の企業主導型の保育施設の活用をさらに強めていくことによって、この待機児童をゼロに持っていきたいと思っています。それと、こども医療費の助成制度です。過去、和歌山市は所得制限を加えざるをえない状況でした。全員の方がというのはなかなか難しい状況だったんですけども、このこども医療費の無償化については、所得制限を撤廃していこうということを今年度予算に上げさせてもらいます。時期については、福祉等のシステム改修が必要ということで、大体、毎年8月が更新時期なんですけども、今年の8月には間に合わなくて、来年の8月の更新時期までにこの医療費の所得制限撤廃のシステム改修を完了してスタートさせていきたいと思っています。それとちょっと変わったところでは出会い応援事業です。今までいろいろな公的な婚活も進めてきたんですけども、さらに、これに加えてお見合い型の婚活支援、今でもいろんなお見合いの世話をしてくれる方がおられますが、そうした方々とのネットワークを強化していって、お見合い型の出会いというのも、市として応援していきたいと思っています。
 次、お願いします。特に保護や援助が必要な子供への支援強化に積極的に乗り出していきたいと思っています。これはコロナ禍において、見守り活動等がちょっと手薄になるかもしれません。そういう状況も踏まえてですね、さらに子供への支援強化っていうのをやっていきたいと思っています。その中心になるのがこども総合支援センターでございます。昨年移転オープンしたんですけども、そのこども総合支援センターを中心にして、特に支援を必要とされている子供さん、あるいは保護者の方へ、各相談員を通じて小児精神科医から助言をいただけるような、そんな相談援助を充実させたいと思っています。さらに支援対象児童等の見守り強化ということで、これは子供食堂等を運営している方々に対して、支援を必要とする子供さんを見守ってくださいということをお願いするものでございます。それと外国人児童生徒等へのサポート強化。特にコロナ禍において、外国から来られた方がなかなか授業についていけないという状況が続いています。そうした方を個別に指導していこう、支援していこうということで、日本語ボランティアの配置、また外国人留学生を派遣することによって、そうした方々の支援をしていくことになっています。
 次、お願いします。教育関係でございます。令和7年までに35人学級を整備していくということで国の方で決定されました。和歌山市の方でも、小学1年生、2年生というのが、すでに少人数学級、35人学級になっているんですけども、これを段階的に、令和7年までに整備していきたいと思っています。これは和歌山県とも連携しながら、教員の配置であるとか教室の確保、そうしたことに努めていって、できるだけ少人数学級によるメリットというのを出していきたいと思っています。併せて、昨年ちょっと表明させていただきました小規模特認校制度、これは文科省の適正規模化、学校は適正規模化しなさいよと、小さい学校については統廃合も考えなさいということで、そうしたある程度の指針が出ているんですけれども、やはり小さい学校には小さい学校、小さいクラスのメリットがございます。そのメリットを最大限に生かし、そういった少人数学級に通いたいっていう人は通えるようにすることで、地域から学校を無くさないということと、少人数学級の特色を生かそうということで、小規模特認校制度の導入をさらに検討していって、できるだけ早期に導入できればというふうに考えています。
 次、お願いします。コロナ禍において、昨年から学級が閉鎖されたり、あるいは濃厚接触ということで学校を休まざるをえない子供たちがいました。そんな中、文科省からGIGA(ギガ)スクール構想に向けた環境の整備として、1人1台のパソコンを早期に導入しようということで、和歌山市の方ではすべて導入し終わりました。現在は、対面授業とオンライン授業をうまく組み合わせたハイブリッド型でやっていこうということで試験的にスタートしています。さらにこれまで濃厚接触者となり休まなきゃいけない子供さん方に対して、ハイフレックス型ということで、対面授業を休まれている子供さんに、授業がオンラインで受けられるようにということで進めてまいりました。実際、コロナ禍において20校ぐらい、小・中学校でハイフレックス型の授業などを行っているところでございます。そうしたそのハイフレックス型の授業であるとか、場合によっては、まだこれは市の方でやっていないんですけども、学級閉鎖になるとその場合は全面オンライン型の授業になるということで、オンラインと対面授業をうまく組み合わせた形で、このコロナ禍においてもしっかり学習ができるように取り組んでまいりたいと思っています。
 次、お願いします。新たな部分として、学校図書館をもっと活用していきたいということで、学校司書の増員というのを今回の予算の中に入れさせていただいています。それと南コミセンがオープンしているんですけども、ここにはまだ図書室がありません。現在、ちょっと雨漏りもあって、その状況を確認した上で南コミセンの図書室を整備していこうということで、確認出来次第、南コミセンについても図書室を整備し、できるだけ図書に触れやすい環境づくり、市民図書館が一番その中心になってくるんですけども、市民図書館はじめ各コミセンの図書室、あるいはその学校の図書など、子供たちが多くの本に触れることができる、そんな環境づくりをしっかりやっていきたいと思っています。
 次、お願いします。最後の項目でございます。「誰もが安心して住み続けられる持続可能なまち」ということで、新年度については重層的支援体制による支援という新たな取組をさせていただきます。この重層的支援についてはこれまで、例えば子育ての制度、あるいは高齢者の介護制度、障害者の支援制度など、これらがそれぞれ別個の法律でできていて、それぞれなかなか縦割りの枠を越えられないということがありました。子育て中に介護が必要になった方に対して、うまく支援できないというようなことがありました。この壁を低くしようということで法律改正がされて、いよいよ新年度からこの重層的支援体制がスタートすることになります。介護、障害、子供、困窮、こうしたことを一括して対応できる、そうした相談支援体制、参加支援体制、地域づくり支援体制というのをこれから整備して、いろんな方がそういう重層的な形で支援を受けられる、そんな社会をしっかり作っていって、地域共生社会の実現に取り組みたいと思っています。
 次、お願いします。次のページでは、特に、高齢者等のインフルエンザの予防接種の自己負担分を下げることができました。市内の医療機関等の協力によって、今まで自己負担が1,500円だったのを1,000円に引き下げることができました。できるだけ高齢者の方は、インフルエンザ予防、重症化予防というのに、これによって努めていただければというふうに思っています。
 次、お願いします。34ページです。新たな取組ということで動物愛護管理センターの強化についてです。動物愛護管理センターについては、なかなか不妊手術が進まないっていう話もありましたんで、犬については昨年も殺処分ゼロを達成できたんですけども、猫については殺処分ゼロがなかなか達成できない。そんな中で、これまで不妊手術を保護猫に対してやっていたのを、今後は地域猫にまで広げていこうということで、この地域猫については県の方で補助制度がすでにありましたが、枠の問題があってなかなか全部できないという状況になっていました。和歌山市動物愛護管理センターの方でも、地域猫に対しての不妊手術を広げていき、それと併せて体制も随分と整備してまいりました。人員等についても非常に詳しい方を採用していき、譲渡等に詳しい方が作業していくことで譲渡回数も譲渡数も増やし、猫についても殺処分ゼロに向けて整備を進めていきたいと思っています。
 次の35ページでございます。先端技術を活用してその地域の課題であるとか生活の課題、また経済対策、そうしたことに取り組むということで、例えば交通であれば次世代交通、自動運転、また健康であればオンライン診療、さらに情報発信、また見守り等の安全安心、防災上の問題、こうしたことを先端技術を活用し、地域課題を解決していこうということで、和歌山市スマートシティ推進協議会を設置させていただきます。先端技術に非常に詳しい民間の方にも入っていただいて、和歌山市全体をスマートシティとして、あるいは限られた地域を先行的にスマートシティとして推進していこうということで、協議会を設置させていただくことになります。その中には、国が進めているスーパーシティのモデル地域に対して、それも視野に入れながら和歌山市のスマートシティを進めていきたいというふうに考えています。
 次、お願いします。行政のデジタル化に取り組みます。公金納付のキャッシュレス化については、後ほど発表させていただきます。他には、窓口申請のデジタル化であるとか窓口の一元化。こうした行政手続きについてできるだけデジタル化を活用し、利便性の高いものにしていきたいというふうに考えています。
 次のページは公共交通ネットワークということで、南海電鉄さんとの共同研究、これについても、後ほど説明させていただきます。もう一つ、ここに青字で書いている元気70パスの充実に向けた実証実験ということで、70パスで今やっているのが100円で乗車できる路線バスなんですけども、それを鉄道に広げたいということで、和歌山電鐵さんが協力してくれて、新年度で実証実験をやろうということになりました。鉄道については初めての試みですけども、貴志川線でやらせていただき、70歳以上の方については割引運賃で実証的にやっていって、うまくいけばさらに次年度以降も続けていこうと考えています。
 次、お願いします。道路網の整備でございます。和歌山環状道路ということで、昨年、和歌山市の都市計画マスタープランにも位置付けさせていただきました。これは自動車専用道路、高速で走る自動車等についての和歌山市の環状網を形成していこうということで、現在、国の方でこの位置付けを進めていただけるということで、今、作業を進めていただいています。和歌山環状道路を広域道路として位置付けていただいて、その中の一部である京奈和と第二阪和を結ぶ連絡道路の早期事業化についてもしっかり要望していきたいと思っています。それと国道42号線の和歌浦地区ですが、これは国道事業なんですけれども、市の方で現在、用地買収を進めております。地域の協力もいただいておりまして、国道42号線で唯一、歩道が無かったところについての整備ということを進めております。こういった中で、幹線道路、さらには生活道路、道路体系についても整備を進めているところでございます。
 次、お願いします。41ページです。新年度で和歌山市消防活動センターが運用を開始します。これは大規模な災害時に広域から緊急援助隊を受入れる、そういうスペースにしようということで、これまで整備を進めてきました。和歌山南スマートインターのすぐ近くということで、広域からの支援を非常に受けられやすい場所に設置させていただきます。新年度内には完成予定になっています。
 次、お願いします。新年度から流域治水という形で、国が新たな制度として打ち出したものでございます。今まで河川なら河川、農業なら農業ということで、別個に治水対策を行っていたんですけども、避難体制であるとか土地利用まで含めて流域全体で治水対策しようというのが流域治水でございます。それについて令和3年度から取り組んでいきたいと思っています。特に、紀の川については新六箇井堰の撤去が和歌山市の悲願でございました。新六箇井堰の下の部分が水中に残ったままということで、我々としては治水上、非常に支障があると、万が一の時には紀の川が破堤する恐れもあるので、何とか新六箇井堰の下の部分を取ってくださいということを要望していました。これは市議会の議員連盟さんと共に活動した結果、切欠については中心部で試験的に施工するよということで国が準備をしてくれています。そうした大河川であるとか、中、小河川、さらには避難体制まで含めた流域治水で、強靱な和歌山市のまちづくりを進めていきたいと考えています。

 以上が主要事業の概要でございます。この後、予算額等については財政局長から説明させていただいて、後ほど質問をお受けしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 財政局長の川嶋でございます。よろしくお願いします。
 まず43ページです。一般会計予算につきましては1,446億6,432万4,000円で3.8%の減、特別会計予算は972億8,685万5,000円で1.7%の減、公営企業会計予算は391億6,620万円で2.1%の減、全会計につきましては2,811億1,737万9,000円で2.8%の減となっております。
 次、お願いいたします。歳出の目的別構成比でございまして、比率の高い順に、民生費が47.5%、公債費が11.6%、総務費が10.2%などとなっております。右の方につきましては、それぞれ主なものについて構成比の増減を示しております。
 次、お願いいたします。目的別の一般会計の歳出状況でございます。このうち、右側を見ていただきますと増加したものにつきましては衛生費、新型コロナウイルスワクチン接種事業等の増などにより15億4,000万円の増と、商工費につきましても企業立地奨励金の増などによりまして2億2,000万円の増となっております。減の方でございますが、総務費で和歌山城ホールの整備事業の減などにより30億4,000万円の減、土木費につきましては地方道整備事業、汐見団地建替事業などの減によりまして24億2,000万円の減となってございます。消防費につきましては消防活動センター整備事業の減などによりまして11億円の減というふうになってございます。
 次、お願いいたします。歳出の性質別の状況でございます。右側見ていただきますと、前年度に比べまして義務的経費とその他の割合が増えておりまして、投資的経費の割合が減っているという現状になってございます。
 次、お願いいたします。性質別の一般会計の歳出の状況でございます。右側の義務的経費につきましては13億5,000万円の減、内訳についてはその下に示させていただいております。投資的経費につきましては67億5,000万円の減、これにつきましても内訳は以下、和歌山城ホールの整備事業などで減少しているという内訳を示させてもらっております。その他につきましては24億5,000万円の増となっておりまして、主なものといたしましては新型コロナウイルスワクチン接種事業などの物件費の増というのが主な要因になってございます。
 次、お願いいたします。自主財源と依存財源の一般会計における割合でございます。これにつきましては、市税が減少するという影響を受けまして自主財源が減という形になってございます。
 次をお願いいたします。歳入の年度間増減です。自主財源につきましては全体で34億4,000万円の減を見込んでおります。これにつきましては新型コロナウイルスの影響になどによりまして市税で42億3,000万円の減、その他につきましては繰入金等で7億9,000万円の増という形になってございます。次に依存財源についてですが、全体で22億1,000万円の減という形になっておりまして、地方交付税では4億6,000万円の増、地方特例交付金で31億8,000万円の増というふうになってございます。逆に市債につきましては、建設事業債の減などによりまして63億4,000万円の減というふうになっております。国、県の支出金につきましては、以下の内訳のとおり4億4000万円の増というふうになってございます。

 以上が令和3年度の予算と主要事業の概要となってございます。

新型コロナウイルス感染症の現状と対応について

 まず、新型コロナウイルスの和歌山市の状況でございます。このグラフは人口10万人当たりの前1週間の平均陽性者数でございますが、赤が和歌山市、青が和歌山県、緑が大阪府、黒が全国となっています。大体、全国や大阪の状況に和歌山市も左右されているという状況でございます。ただ、和歌山市の状況は、まだちょっと全国に近づいているような状況で、現状もある程度の感染者が出ている状況でございます。まだまだ予断を許さないというのが和歌山市の状況じゃないかなというふうに考えています。
 次に、第1波、第2波、第3波の年齢別の感染者数について整理しています。全国的な傾向でもあるんですが、和歌山市でもやはり40歳以上の感染者数が第3波で非常に多くなっています。第3波の中でも一時期は若い人の感染が多かったんですけれども、40歳以上の感染が多くなってきているという状況でございます。
 次、お願いします。クラスターも非常に多く発生しています。特に飲食店であるとか高齢者施設、最近では医療機関でのクラスターが和歌山市内でも非常に多く発生しています。
 次、お願いします。感染経路不明の割合でございます。12月から1月にかけては20%から30%という感染経路不明率が非常に高い状況でした。ようやく少し収まってきましたが、それでもまだ10%程度の感染経路不明率となっております。
 次、お願いします。ワクチン接種が間もなく、医療従事者から始まるということで、和歌山市でインターネットモニター登録者へアンケート調査を行いました。登録者の826人の内、回答いただいた方が625人ということで調査をさせていただきました。
 次、お願いします。まず、ワクチン接種をどう考えるか、「すぐに受けたい」「様子を見て受けたい」「接種を希望しない」「わからない」。この4点で聞かせていただき、65歳未満と65歳以上に分けさせていただきました。まず、「すぐに受けたい」という方は65歳未満では15%ぐらい、それに対して65歳以上は37%ぐらいの方がすぐに受けたいというふうに考えておられます。また、「すぐ受けたい」と「様子を見て受けたい」の両方を合わせると、65歳未満では約80%、65歳以上では約90%となっております。
 次、お願いします。「ワクチン接種を受けるかどうかの判断基準は」ということで聞かせていただきました。まず、「副反応を考える」という方が65歳未満の方も65歳以上の方も非常に率が高く、さらに「効果を見極める」という方も非常に率が高くなっています。これについては、今後、情報をしっかり出していきます。国の方でも出していただいており有効性は認められているということ、そして安全性も確認されているということで、その点についてしっかりと情報開示をしていければというふうに思っています。
 次、お願いします。接種場所についてでございます。「かかりつけ医がいる医療機関」「その他の接種してくれる医療機関」「集団接種会場」ということで聞かせていただきました。65歳以上では非常に多くの方が、かかりつけ医がいる医療機関で受けたいと思っておられるというのが現状でございます。
 次、お願いします。この調査は全数ではなく一部でございますので、結果を参考にしながら今後の接種というのを考えていければと思っています。国の方からもいろんな指導が来ています。現在は、非常に不確定な部分もありますが、ワクチンの配布時期であるとか、配布の件数、あるいはディープフリーザーの配置の日程であるとか、台数、こうした非常に重要なところがまだ不確定な中で、国の状況によって今後、予定しているのが、まず、和歌山市が関係するのが接種券、クーポンの送付についてです。65歳以上の方については3月下旬頃にクーポン券を送付させていただいて、4月の上旬から65歳以上の方のワクチン接種を開始。一般の方については5月以降に接種券を送付させていただいて、6月以降から接種させていただこうということになりました。明日からは医療従事者がワクチンを接種されるということで、こちらへのいろいろな問い合わせも多くなりつつあります。そのため、本日からワクチン接種の相談窓口を設置させていただくことになりました。この番号へかけていただければ、ワクチンの相談というのを受けられることになっていますのでよろしくお願いします。

次世代交通ネットワークにつながるBRTの共同研究について

 次世代交通ネットワークに繋がるBRTの共同研究ということで、日程等が決まってまいりました。まず研究会の開催は2月18日に予定させていただいています。次世代の交通に繋がるようなBRTの導入について、特に試走についての検討をさせていただきたいと思っています。そしてバスの試走についての日程もほぼ固まってまいりました。3月の6日、及び7日の2日間でこの試走をやっていきたいというふうに考えています。3月6日(土曜日)の午前9時15分に第1便をスタートさせていただきます。様々なルートでやることになっているんですけども、報道機関の方については2月24日(水曜日)午前10時までに連絡いただければ乗車できますので、希望される方は乗車していただければと思います。別紙は今回試走するルートでございます。

公金納付のキャッシュレス決済について

 公金納付のキャッシュレス決済ということで、4月からスマートフォンの決済アプリで公金の納付ができるようになります。種類は主に税関係であるとか保険料、そして水道料金、下水道料金について対象とさせていただいています。4月から実施できますので、是非、活用していただければというふうに思います。

フンボルトペンギンの飼育舎の改修がまもなく完了します

 現在、フンボルトペンギンの飼育舎の改修を行っています。水中の泳ぐところを見ることができるようにしようということで改修を進めていて、3月中旬には完成する予定なんですけども、現在、ペンギンは前のビーバー舎の方で見ることができますので、もし、今見たい方はビーバー舎の方で見ていただければと思います。3月中旬にはペンギンの泳ぐ姿が見ることができるということでご期待いただければと思います。

 発表項目は以上でございます。よろしくお願いします。

記者の質問事項

2月定例市議会提出案件について(令和3年度 予算と主要事業の概要)

(記者):上水道の整備を熱心にされているんですけど、老朽化しているインフラの整備で23億円積んでますけども、これは前より増やしているんでしょうか。今年度よりも来年度の方を充実させてるんでしょうか。

(市長):耐震化とかいろいろ分かれていますので、金額的にはほとんど変わりがないんですけども、ただ、昨年の漏水事故に鑑みて、例えば水系間を結ぶような連絡管であるとか、そうした漏水対策の面というのは強化しています。水系同士をいざという時は断水させなくても済むように、水系間の連絡というのをしっかりとやっていくことになっていますので、その部分で強化しております。

(記者):今回、三つの重点政策プラス新型コロナ対策ということで、新型コロナ対策での予算は総額、一般会計で幾らかっていうのをもしあれば、お伺いできますか。

(市長):直接の事業的な予算というのは18.1億円でございます。そこへ人件費であるとか繰越分も含めて、大体29億円ぐらいでございます。さらにここへ国の三次補正の分とかありますがまだ入れていませんので、最低でも29億円を用意させていただいています。

(記者):今回の1,446億ですか、そこに占めるコロナの予算っていうと、後でまた詳細にお伺いできればなとは思うんですがよろしくお願いします。それとですね、ちょっと今回予算のポイント先ほどおっしゃっていたんですけども、今後、和歌山が発展していくために、今回の予算を簡単に言うと、どんな予算にしたいなというのをもう一度ちょっとお願いできますか。

(市長):昨年のコロナ禍でいろいろ社会の様子、またいろんな経済状況も変わってまいりました。今の流れを新たな流れに、特に大都市からの人口分散であるとかそういった形が進んできています。それと今年は特にコロナ対策が長期に及んできたということもあって、経済対策であるとか様々な部分を強化していきたいと思っています。そのため令和3年度予算は、地方創生の新たな潮流を的確にとらえて、持続的な発展につなげる、「暮らしを守り、未来へ希望をつなぐ予算」とさせていただきたいと思っています。

(記者):2年連続のマイナスの予算になっていると思うんですけれども。

(市長):税収面で非常に厳しくなっています。今回、マイナス予算となっているのは、特に建設投資の部分をかなり削減させていただきました。完了した部分でいくと和歌山城ホールであるとか消防活動センター、こういった部分で35億円程、減らしているんですけども、それにプラス道路整備事業であるとか、そうした建設投資の部分というのを今回、削減せざるをえない状況になりました。今後の税収の落ち込みであるとか、特にコロナ対策に係る衛生費であるとか、さらに経済対策など、そうしたところを強化したいという思いがあって、全体の中では建設投資をできるだけ抑えて、コロナ対策であるとか、人口政策、さらには経済対策、そういったところに重点を置かせていただきました。

(記者):建設投資を抑えざるをえなかったということですが、もう少し具体的に、どういったことを本来したかったのに今回やむを得ずにしなかったという点と、今回の市税が結構な落ち込みで、コロナなのでやむを得ないということなんですが、先を見据えてですね、市長おっしゃったように移住定住の人口流入、あるいは企業誘致なんかで、いわゆる多分底上げによってもろもろで上げていかれるのかなっていうふうに長期的に見るんですが、そこら辺をもう少し伺えたらと思います。

(市長):まず、歳入に合わせた予算にせざるをえないと思っています。そんな中で抑えるところは抑えざるをえないということで、特に建設投資の中でも防災関係というのは、これは命に関わることなのでそれは維持させていただきました。それ以外の部分で、例えば道路であるとか、そういったところは縮小をせざるをえないということで縮小させていただきました。特に増やした部分っていうのは、やはり経済対策の部分、コロナ対策の部分、さらには人口移住。これからこれは長期的に経済対策にも効いてきますので、人口移住の部分、そうしたところを強化させていただいたんですけども、その中でバランスを取った予算とさせていただきました。

(記者):転入者を増やしたいっていうのは、各地方都市がですね、コロナ禍で共通で考えられているとは思うんですけれども、その時に、和歌山市に来てもらうアドバンテージっていうものをどういうふうに見られてるかという、和歌山はなぜここが良いから来て欲しいっていうPRポイントですね。それと今回それに関して予算化したソフトの予算の中で、どの辺の予算が一番アピールできるか、その2点を教えてください。

(市長):まず和歌山で移住者が受けられるメリットというかポイントはですね、一つは自然環境だと思います。海がすぐ近くにあって、山もあって、そこに綺麗な紀の川が流れていると。海、山、川という自然が豊かであって、また景観面でも非常に優れた場所でございます。そうした環境面というのが一つ挙げられます。もう一つは、大阪という大都市に近い、それと関西国際空港という国際的な玄関口にも近い、そういう交通の利便性というか、ポジションがいいんじゃないかと思っています。そうしたことをしっかり売りにしてですね、あとは子育て環境であるとか教育環境、こうした点で和歌山市には非常に良い面があるんだっていうところをPRできればと思っています。今後さらに、この和歌山市の良いところの魅力をさらに上げていって、多くの方に入って来ていただければというふうに考えてます。それと、この予算の中の一番のアピールですが、今までの話とちょっと関連するんですけども、やっぱりその4つの重点というのが私にとっては大事だと思っています。長期総合計画という縦の分野別の目標があるんですけども、そこに横串を刺すっていう意味でも、この人口移住政策というのが非常に大事だと思っています。それと併せて支え合い社会という、これからの高齢社会を支えていこうというのはやっぱり、元気な高齢者が高齢者も支えられる、さらにはその子育てであるとか、様々な世代が支え合える社会というのが非常に大事で、これを重層的支援事業という形で今回、スタートさせていただくことになります。それともう一つはデジタル化です。これも新たな課を設置させていただきました。デジタル推進課ということで、庁内のデジタル化や市民窓口のデジタル化。それと併せて、市全体のDXを進めていくための、そうした担当者というのも置くことになってます。そうしたことを通じて、和歌山市全体のスマートシティ化というのも進めていければということです。特にコロナ以外であるとその3点。コロナ対策は当然ですけども、この4点を強化していきたいと思っています。

(記者):先程コロナの関連に費やされた予算額は18億1,000万円とおっしゃいましたが、これは事業費のことをおっしゃってるんでしょうか。それと29億円というのはどういうふうに位置付けたらよろしいでしょうか。

(市長):直接事業が18.1億円で人件費であるとか繰り越し分を足すと29億円となりコロナ対策の予算となります。

(記者):令和3年度の当初予算に盛り込まれたコロナ関連事業費は29億円というふうに思ってよろしいですか。

(市長):そうですね。はい。

新型コロナウイルス感染症の現状と対応について

(記者):感染症の現状と対応についての中で、相談窓口は一般の人の相談の窓口ということですか。もう一つ、65歳未満の方は医療機関と集団接種会場ということが書いてあるんですけども、病院や接種会場の調整、進み具合というんでしょうか、幾つぐらいを想定してるのかとか、どこまで進んでるのかをちょっと教えてもらえますか。

(市長):まず相談窓口については、別に一般の方以外の方も結構なんですけども、一般の方を対象とさせていただいています。それと、接種会場については、まず高齢者の方についてはできるだけ医療機関でと思っています。ディープフリーザーを置いているところをベースにして各医療機関へと。今回、冷蔵保存が5日間可能だということで、思った以上に個別の医療機関でやってもらえそうだということがわかってまいりました。当初はもうちょっと集約させようとしていたんですけれども、かかりつけ医等、かなり幅広い医療機関に受けていただけるんじゃないかなと思っています。現在、その調整を行っているところでございます。高齢者についてはそれらの医療機関を中心にやっていければと思います。ただ、一般の方になってくると非常に人数も多いということで、これはちょっと医療機関だけでは難しいのかなと思っていて、集団接種も視野に入れて、現在、検討を進めているところでございます。

(記者):以前の会見で、市長は病院だと最低28件ぐらいでいきたいなと、それを最低にしたいなっていうふうにおっしゃってましたけど、大体、今の状況で医療機関は幾つぐらいまで増やせそうだとか、集団接種会場は幾つぐらいなりそうだっていう数を挙げることはできますか。

(市長):まず、高齢者については医療機関を中心にと思っています。今のところ集団接種は考えてない状況です。当初はおっしゃるように28ぐらいって言ってたんですけども、国の方針が変わってきまして、分散できるんじゃないかなと思っていますので、もっと多くの医療機関で、できるだけ近くで、できたら身近な医療機関で打てるような、そんな状況を作っていきたいということで、今、医療機関の方と調整中でございます。

(記者):ワクチン接種の関連なんですけども、6月以降順次、高齢者以外も接種開始ということなんすけども、市内で全員がワクチン接種を終える目途というのはどのぐらいの時期でしょうか。

(市長):今の質問が一番辛いんですけども、一番大事な情報がワクチンの納入時期だと思っています。そのワクチンの納入時期が確定しない限り、なかなかその全体のところは不明です。1日に打てる数などはわかるんですけども、どれだけ入るかによってその部分が変わってきますので、なかなか終わりの部分というのはいつっていうのが言えない状況でございます。

発表項目以外について

(記者):予算にも関係するのかもわからないんですけど、昨日も市長、非常に危ない目に遭われてるんですけど、地震がですねここ数日、微弱地震も含めて多発しておるのですけれども、防災面について市としての考え方をお聞かせください。

(市長):防災面全体で言うと、地震、津波、風水害、土砂災害など様々な災害があります。近年は異常気象が伴い、災害が大きくなってきています。この災害に対応していくには、これまでの強化対策と併せてさらに総合的な、想定外にも対応できるようなそんな体制が必要じゃないかなと思っています。特に、昨日は地震で大変お騒がせして申し訳なかったんですけども、今まで、海溝型の地震、津波というのも想定していたし、それに対する避難体制というのをやってきていました。ただ、今回のような直下型というのは、中央構造線の関係があるので直下型に対しては、それぞれ家屋の補強であるとか、まずは市民の身を守るための政策というのを進めてきました。昭和56年5月以前の家屋については耐震化ができていないということで、今、全戸訪問をさせてもらっています。3年前から、それぞれ昭和56年5月以前の建物を持たれている方については耐震化しませんかということで、全戸訪問をさせていただいていて、120万円ぐらいだったらほとんど自己負担無しで耐震改修ができますので、こうした呼びかけをさせていただいています。最近、本当に直下型が多くなっているので、そうした揺れに対して身を守るということが非常に大事だと思っていますので、その面もこれまで以上に強化していかなきゃいけないと思っていますし、当然ですけど津波の方も、これはまず避難できるようにということで、今までやってきた中で、大体一般の方は、まず津波が起きたら高いところに逃げようというのはできてきたんじゃないかなと思うんですけど、ただ、自分で避難できない方、災害時要援護者支援というところ、これがまだちょっと課題として残っています。まず自分の身を守らなきゃいけない中で、どうしたら助けられるか。これがちょっと大きな課題にはなっているんですけども、現在、それぞれ先駆的に進んでいるところもありますので、そういった地域を中心にモデルをさらに広げていければというふうに考えています。あとは風水害の関係ですけども、これは先ほど説明させていただいた流域治水的な考え方、こうした新たな考え方も入れてですね、本当に想定外の災害が起きても命を守れる、そんな政策をしっかりやっていきたいと思っています。

(記者):この前、無許可で講演をして処分をされたというのがありました。報酬として受け取ったお金の返金は求めないということなんですけども、それについての市長の考えを聞かせていただきたい。さらにコロナに関連して、大勢の個人情報をメールで誤送信してしまったということがありました。そういう問題がちょっと続いていることについての受けとめを教えていただきたい。あと、前回の市長定例記者会見の時に、情報が流出したかもしれないという事態を、市長はなぜ会見で発表されなかったのか。この3点を教えていただけますか。

(市長):まず副業による返金ですね。これは、随分人事課をはじめ審査会の方でも調べてくれました。その結果、許可をもらわずに副業行為をした、そのことに対してのペナルティーということになりました。その対価については求められないというのが法律相談等をした結果でもあります。それはそれぞれの個人の能力でやったもので、市としては完全に副業を禁止してるわけじゃなくて、今回はその許可を求めずにということだったので、それは了解とさせていただきました。それとメールの誤送信等の不祥事が続いていることへの感想ですかね。この間からそうした誤送信であるとか、いろんなことが続いています。これらは和歌山市長としても非常に残念なことだと思っています。それぞれ個人の規範なりだと思いますが、組織的にしっかりと現状の体制の中で、それぞれが自分の規範に基づいて職務を遂行していくということが大事だし、当然ですけどもそういった犯罪行為は起こさない。これはもう公務員でなくても当たり前のことなんで、もっと啓発であるとか研修というところを強化していく必要があるというふうに考えています。誤送信の件については、当初、発生して私の方へも連絡が入ったんですけども、当初は誰かわからないってことで、それをまず探すんだって言っていました。まず相手方を特定したいという思いがあったんですが、なかなか相手方からも返事が来ない。それで相手を特定せずに発表せざるをえないということになって、発表させていただいたということです。

(記者):副業に関する懲戒処分の会見の時に、相手方の企業に申し訳がないということで、企業の方に聞き取りをしなかったという話があるんですが、それに関して調査の方法など適正だったと思いますか。

(市長):それはちょっと聞いてないんですけど。相手の企業に聞き取りを行ってないっていうんですか。

(記者):という旨を私は聞いております。

(市長):相手の企業に聞いてないの。それはちょっと知らなかったんだけど、それは当然聞くべきだと思いますよね。

(記者):市教委の方でもありましたが、確か市立幼稚園の教頭先生が1回処分を受けた後に、またさらに横領が発覚したっていうふうに、二度追いとかということになってしまってて、私は都合で免職の会見には出られなかったんですが、例えばそういう感じでなんか後々に、実はまだありましたとかっていう可能性も否定はできないので、今後について、もしそういうことが確認できたら再調査とかする予定とかってありますでしょうか。

(市長):少なくとも再調査というか、なぜ企業に聞かなかったのかということ。この件は専門部署の専門の人が調べた結果だと思っていたので、信頼していたんですけども、今お聞きして、企業に聞かないというのが不思議なんで、その点は確認してみます。場合によっては再調査する必要もあるかなとは思います。まずは確認させていただきます。

(記者):無許可で報酬いただいた方の講師の話ですが、相手方の企業に調査されてないっていうことは会見の最後で少し出たんですが、それが市長の方にその報告が上がっていないっていうこと自体がちょっと驚きなんですが。ちょっとやっぱりそこら辺のことも含めてですね、なんかちょっと組織としてありえないんじゃないかというふうに思うんですが。きちんと報告が上がって、それに対して市長が指示して、本来あるべきやり方っていうものに修正するのが筋なんだろうと思うんですけど、それがなされてないこと自体が、ちょっとこちらから言わせていただくと非常に甘いなと。だからいろんな不祥事にちょっと、根っこの部分で何か繋がっているんじゃないか、いわゆる身内をかばうような意識が働いてるのかなっていうふうに思わざるをえないんですが、そこの是正のことも含めてどのようにお考えなんでしょうか。

(市長):いたずらに厳しくするっていうことがすべてじゃないとは思うんですけども、まず、調査については適正にやらなきゃいけない。特に利害関係とかそういった点も含めて、しっかり調査されていると思っています。それで、利害関係云々については特にないということで報告も上がってきましたので、今回は処分については良としたわけなんですけども。甘いって言われたら甘いのかもしれないけれど、少なくとも企業への確認は当然だと思っていたので、それはないんじゃないかなと思いますので、その点はちょっとしっかりと確認していきたいと思います。

(記者):その職員さんの言い分だけで、利害関係がないというふうに判断されたわけですから、そもそもその判断自体が正しかったのかということ自体が、言えないわけですよね。と思いますがいかがでしょうか。

(市長):多分、出していない情報というのがいっぱいあって、その情報は私も聞いていますし、そこの確認というのは十分やってるつもりなんで、その企業に聞いた聞かないというところだけ取ってですね、本当にそうなのかっていうのは、今ちょっと確認できていないので、なぜ聞かなかったのかというところがわからないんで、様々な面から調べています。それは確かにいろんな情報もらったので、それは確認しています。ただ企業に聞かなかったというところだけで甘かったと言われても、今はわからない状況です。

(記者):地震のことなんですけども、関係者の方で怪我は無かったのかということと、議場の照明器具が落ちたことによる、議場の今後についてお願いいたします。

(市長):昨日は本当にお騒がせして申し訳なかったなと思っています。議場という大事な場所で、あんなことがあるっていうのはちょっと考えていなかったんですけど、実は昨日の2回、まずは震度2の地震がありました。その時にちょうど演台の真上のところので、金属でできている照明の飾りが、その時にパラパラっという音がして、これはちょっと危ないなという感じはしていました。その後、演台に立っている時に震度4の地震が起こって、大事な場所なんで演台を離れるわけにいかないんで、ずっと見ていたんですけども、落ちてきたんでこれは危ないと思って、もう逃げざるをえない状況になりました。幸い、その演台の上にある照明の部分だけだったので、周りの人には被害も無くて、関係者には被害が無くて良かったなと思っています。私自身も全然当たっていないし、当たってればはちょっと傷ついたかもわからないんですけども、よかったかなと思ってます。震度4の地震自体は市内全域でも被害が報告されていませんので、その面は非常によかったなと思っているんですけども。公共施設は我々も耐震化を進めてきました。それと、特に天井等については、落下物がないかとか、補強もしてきたつもりなんです。そんな中で、今回、議場という場所であんなことが起こったんで、再点検を朝から命じました。公共施設、特に市民の方が来られる場所について、落下物がないかということで、管財課、教育委員会に。そういったところについては、再度、点検を命じたところでございます。公共施設についてはほぼ耐震化ができているんですけども、特にそういう落下物であるとかについても点検をするように指示したところでございます。

(記者):先ほどの副業のことで、出していない情報があって、それを私も聞いてるってことですけども、市長は聞いているかもしれませんが私は聞いてないですし、聞いてもいない情報をもっていろいろ考えてくれ、忖度してくれと言われても、私は困りますし、読者にも伝えようがないので。それで、企業に聞いていないっていうのは正確に言うと記者会見ではなくて、それが終わった後に囲みの取材があって、その中で企業側に聞いていないっていうことを言ってたわけです。その理由は、相手さんに迷惑をかけてしまうからっていうことを担当の方がおっしゃっていたので。そこはもう一度、どうして聞いてなかったのかっていうのを聞いてちゃんと答えていただきたいということ。あともう一つ、メールの誤送信のことなんですけども、私が先ほどちょっと聞きたかったのは、前回、市長は会見の時にそのことを知っていた、耳に入っていたんじゃないか。つまりその全容はわかってなかったし、現在も相手を特定してないと思いますので、ただそれでも、会見の時に市長はなぜそのことについて触れなかったのか、市長自身がその問題をあまり大したものと考えていなかったんじゃないかということを疑っているんです。そのことについての市長の考えを聞かせてください。

(市長):まず、企業に確認しなかったという点はですね、その部分は本当に聞いていないんですけども、聞かなかったっていうことはありえないなと思っているんだけど、なぜ聞かなかったのかということは確認したいと思っています。様々な点からいろいろ確認をしていますというのは事実なんですけども、ただいろんな関係機関との信頼関係等があって、そのすべてをお伝え出来ないんですけども、それを別に信じてくださいっていう話じゃなくて、今までの話の中で、我々も十分、説明責任を果たしているつもりだと思っているんで、企業に聞かなかったというところは一度、確認させていただきたいなというふうに思います。それとメール誤送信の件です。これは非常に大事な問題だと思っています。ただ、いたずらに騒がすことも心配かけることもあってはならないと思っていて、そのため確認がまず必要だと思っていたことも事実で、なかなか相手先から連絡をいただけない、ただ時間だけが経過してしまうので、まずは発表しようじゃないかということで、やむを得ず出させていただいた状況でございます。そんな中で、最初はやっぱり、どこへ出たか、またそれを消していただこうということが優先順位の一番であったので、その部分を急がせていただいたんですけども。発表がちょっと遅れたことになってしまい申し訳ないと思います。

(記者):誤送信先とは連絡が取れているんでしょうか。

(市長):未だに取れていない状態です。


                                                以上

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