肉の低温調理に気を付けましょう!自己流は危険です。

 

ページ番号1046488  印刷 

ローストビーフやサラダチキン、鶏ハム等を自宅で調理する方が増えています。美味しさや手軽さを求めて、近頃『低温調理』レシピが流行していますが、どうしても加熱不足になりがちです。肉の加熱調理時には以下のポイントに気をつけましょう。

ポイント1 正しいレシピに従い温度と時間の管理をしましょう。

低温調理をする際は、低温調理器や公式ホームページのレシピに従って温度と時間の管理をしましょう。お湯に入れてから肉の中心温度が上がるまで相当な時間が必要です。

内閣府食品安全委員会では、鍋内の水温を一定に保つことができる低温調理器を用い、鶏ムネ肉(約300g、厚さ約3cm)をジッパー付き袋に入れて加熱する実験を行いました。63℃のお湯に入れて温度を維持した場合、肉の内部温度が63℃になるのに平均68分かかりました。

鶏ムネ肉を63℃、70℃、75℃でそれぞれ調理した時の肉内部の温度変化。
その温度に達するのに70分近くかかる。殺菌のためには、63℃の場合はさらに30分、70℃は3分、75℃なら1分の加熱維持が必要となる。(内閣府食品安全委員会HP)

しっかり加熱殺菌するには、63℃加熱の場合、肉の内部温度が63℃になってから、さらに30分間の加熱を維持する必要があります。70℃なら3分間、75℃なら1分間の加熱が必要です。

つまり、鶏肉を63℃で調理する場合には、肉の温度が上がるまでに平均68分、さらに30分間温度を維持する必要があり、調理に計100分程度の時間を要します。
70℃や75℃の調理の場合も、同様に平均70分必要。その上で、3分間あるいは1分間の温度維持が必要です。

ポイント2 肉の見た目では、食中毒を防ぐ安全な加熱ができたか判断するのは不可能。

加熱できたかどうか、見た目で判断すれば十分なのでは…と思う方がいるかもしれません。

しかし、それは不可能ということが食品安全委員会の調査で分かりました。

鶏肉の場合、食中毒を防ぐには、63℃で30分間の加熱維持が必要ですが、63℃に達したばかりの鶏ムネ肉の外観と、殺菌に必要な30分の温度維持をした鶏ムネ肉の外観はほぼ同じでした。切った断面を見比べても、違いがありません。

鶏ムネ肉を加熱した後の断面
内部の温度が加熱温度に達した肉(上段)と、一定の温度と時間が維持され食肉製品の規格基準を満たした肉(下段)とで外観の違いはなく、外観では安全性の判断はできない。(内閣府食品安全委員会)

見た目など経験や勘で調理法を変える自己流アレンジは、低温調理の場合特に危険です。「サラダチキンなら100分」「だいたいこれくらいの時間で大丈夫」というように覚えるのではなく、メーカー等のレシピに従って正しく作り、肉が大きい場合には加熱時間を延ばすなど、肉の重量や厚み、加熱時間については自分で条件検討をしてから調理するようにしましょう。

ポイント3 余熱を利用したレシピは、肉の内部温度が食中毒を防止できるほどには上がらないので、やめましょう!

塊肉の表面を焼いた後にアルミホイルで包んだり、肉をジッパー付き袋に入れてお湯で浸けっぱななしにするなど、余熱を利用するレシピは、「簡単」とインターネット等で数々紹介されています。しかし、上記のポイントのとおり、低温での安全な加熱には長時間、温度を維持する必要があります。

こうした余熱を利用した調理方法は、肉の中心温度が食中毒を防止できるほどには上がらないので、やめましょう。

食中毒菌を殺菌するには、中心部の温度が75℃で1分(もしくは70℃で3分、もしくは63℃で30分)以上必要です。

 

正しい調理方法で、お肉を安全においしく調理しましょう。

このページに関するお問い合わせ

健康局 健康推進部 生活保健課 食品保健班
〒640-8137和歌山市吹上5丁目2番15号
電話:073-488-5111 ファクス:073-431-9980
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。新しいウィンドウで開きます