在宅医療・介護関連施設における「情報提供シート」の活用について

 

ページ番号1052822  更新日 令和5年11月1日 印刷 

情報提供シートとは?

 地域包括支援課、和歌山市医師会在宅医療センター、和歌山市在宅医療・介護連携推進センターなどと連携し、救急活動時における介護関連施設及び在宅医療関係者と救急隊がお互いの困りごと(課題)を話し合いました。
 その結果、一番の課題は「情報の共有」であり、解決策として、救急隊や搬送先医療機関にとって有用な内容で構成された統一様式として、「情報提供シート」を作成すべきとの結論に達しました。
 救急活動に必要な情報のみではなく、円滑な医療につなげるため、医療機関側(医師・看護師)の意見や実際にシートを使用する介護関連施設等の関係者の意見も集約し、改訂を重ねて、完成に至りました。

  「情報提供シート」には、急変時にご自身やご家族がどのような処置や治療を希望するかについて記載する箇所を設けています。
 急変時の希望と聞くとネガティブな印象をお持ちになるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
 ご自身やご家族、かかりつけ医、看護・介護関係者と人生会議(ACP)を行い、その意思を共有することで、最後まで「自分らしく生きる」ことへの実現につながります。
 また、「情報提供シート」を作成しておくことで、急変時に関係者の方が記載内容を確認し、事前に人生会議が行えており、かかりつけ医ともお話ができている利用者様について、慌てて救急要請するのではなく、かかりつけ医に連絡し、ご本人のご希望どおり、施設等での看取りにつながるケースもあると考えられます。

 傷病者の方の情報や意思をつなぐもの、それが「情報提供シート」(図1参照)です。

 

情報提供シートの表面の画像
図1(情報提供シート表面)

情報提供シートの活用方法

【パターン1】
(1)在宅医療や介護関連施設の関係者(かかりつけ医を含む)が主導となり、利用者の方(代理意思決定者を含む)の同意を得て、「情報提供シート」を作成
(2)急変などが起こり、救急要請を行った場合に関係者から救急隊に「情報提供シート」を手渡し、情報共有を行う。
(3)救急隊が「情報提供シート」の記載内容を参考に、適切な病院選定や迅速な搬送を行う。
(4)「情報提供シート」を救急隊から搬送先医療機関の医師などへ確実に引き継ぎ、情報や意思を共有することで、傷病者等の意思に沿った必要な医療につなげる。

このような流れで「情報提供シート」を活用することで、「救急隊の現場活動時間短縮」「ご本人やご家族の意思に沿った医療の提供」など傷病者の方の利益に資することが期待できます。

【パターン2】
(1)在宅医療や介護関連施設の関係者(かかりつけ医を含む)が主導となり、利用者の方(代理意思決定者を含む)の同意を得て、「情報提供シート」を作成
(2)急変(心肺停止)が起こり、「情報提供シート」を確認したところ、「心肺蘇生実施の有無に関する書面作成あり」となっており、記載されているかかりつけ医に連絡する。
(3)かかりつけ医から「患者さんと事前に心肺蘇生を望まないという意思確認ができているので、今から向かいます。」との返答がある。
(4)かかりつけ医が到着し、施設等での「看取り」を行う。

このような流れで「情報提供シート」を活用することで、生前のご本人やご家族の意思に沿った「看取り」につながることもあります。

もちろん、かかりつけ医に連絡がつかない場合など、救急要請に至るケースがあることも想定の範囲内です。

活用イメージ図のイラスト

情報提供シートを活用するためのポイント

「情報提供シート」を作成するだけでは、いざというときに活用できない場合があると考えられます。
(例:作成したことは分かっているけど、どこで保管しているか分からないなど)
せっかく作成した「情報提供シート」をしっかりと活用できるよう次のポイントをおさえましょう

1 「情報提供シート」作成後、原本をサマリーなど他の情報と同じく保管し、コピーを利用者様のお部屋などで
 保管しておく。(保管場所は、冷蔵庫の扉にマグネットで貼り付けるなど、緊急時、すぐに取り出せるところに!)

2 どんな時間でも誰が対応しても、保管場所が分かるようにお部屋の入口の扉(部屋側)や壁などに保管場所を
 を明示しましょう。(図2参照)

3 情報や意思は変化するものなので、一度作成して終わりではなく、機会を捉えて再作成しましょう。
  (例えば、作成後、新たな病気が発見されたときや入院したときなどを再作成の機会とするなど)

保管場所明示の例のイラスト
図2 保管場所明示の例(下部リンクからダウンロード可能)

最後に

「情報提供シート」を有効活用することで、「円滑な情報共有」を行い、傷病者の方にとって一つでも多くの利益につなげてまいります。

また、「情報提供シート」人生会議(ACP)を推進するための一つのツールとして機能し、「市民一人一人が自分らしく生きることができる街」の実現を目指して、今後も関係各課や官民連携を密に協働を行い、取り組んでいきたいと考えていますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。

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電話:073-428-0119 ファクス:073-423-0190
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