市長記者会見 平成30年4月19日

 

ページ番号1020363  更新日 平成30年4月27日 印刷 

20180419市長定例記者会見

4月市長定例記者会見
【平成30年4月19日(木曜日)午前10
時~】

市長発表事項

発表項目

和歌山城天守閣について

最初の項目ですけど、和歌山城の天守閣の耐震診断結果が出ました。耐震判定委員会にもかけて、正確なところが出たんですけれども、やはり特に大天守の1階部分の耐震が足りないと。Is値で0.3以下という事で、震度6強あるいは7の地震の際には倒壊する危険性が高いと評価されました。この判定結果を受けて、和歌山市の方では、今後速やかに木造再建あるいは耐震補強あるいは現状維持、大きくはこの3つになるんですけれども、そのいずれかを選択しようという事で速やかに検討に入っていきたいと思っています。4月25日には庁内でプロジェクトチームを立ち上げます。また5月には、史跡和歌山城保存整備委員会を開催して、その中で検討を開始したいと思っています。当面の措置として、まず来場者に対しては特に貼り紙等で「大きな揺れの際は中庭に出てください」という事を貼りだしたいと思っています。また合わせて、常駐している管理者の方から避難誘導を呼び掛けるという事になります。資料にも記載していますが、現在全国で47城あります。天守があるのはそのうちの42城ですけれども、耐震診断実施済みが25城、未実施が17城という事で、現在耐震補強という形で9城は補強されています。未実施についての16城、これは今後横の連携も取りながら、どういう方法でやっていくかというところを検討していきたいと思っています。

「南コミュニティセンター・南サービスセンター」が5月28日にオープンします!

2つ目の項目でございます。5月28日に「南コミュニティセンター・南サービスセンター」がオープンする事になります。これはまさに人口減少化の中で、既存の公共施設を有効活用しようという事で、元々地場産業振興センターであった場所、これがわかちか広場へ移転したという事もあって、今回リニューアルして新しく地域の生涯学習の拠点、また地域の活動拠点・交流拠点として生まれ変わる事になりました。今までのコミュニティセンター、サービスセンターと少し違うところは、ここは先日景観まちづくり法で認定された重点区域にあたるというところから、特に日本遺産等の観光案内展示コーナーというのを設けています。観光の案内所的な機能も今後ここで果たせればという事で、新たなコミュニティセンター・サービスセンターの役割として、今後1つのモデルになるケースだと考えております。

5月を空き家の利活用促進強化月間として取組みます

3つ目の項目でございます。空家対策については本格的に実施しています。特に先行して特定空家という事で、危険な空き家は除却していこうという事で、指定もさせて頂いて、指導を行わせて頂いております。そうした特定空家とは別に、使える空き家は活用していこうという事で、5月を特に利活用の強化月間に指定して、重点的に各関係団体と一緒に、空家活用を呼び掛けていきたいと思っています。特に空き家に対する無料相談を5月にそれぞれの団体で実施して頂く。総合窓口としては和歌山市の空家対策課がやらせて頂いて、できるだけ活用に向けた呼びかけあるいは補助制度等について詳しく説明していって、空き家を少しでも減らしていこうという事で、これから本格的に空家活用に取り組みたいと考えています。その中で、地域交流拠点等づくりにおける補助金交付事業というのが、今年度和歌山市の方で予算化されています。これは特に空き家を自治会等の同意を経て、交流サロンやいろんな生涯学習など、そういう拠点にする場合に、補助が3分の2出る事になっています。こうした活用を呼び掛けていって、できるだけ空き家を減らしていく、あるいは個人の方が転売し易いように、改修し易いように、そうした事を具体的に説明していこうと考えています。

狭あい道路拡幅整備補助事業について

4つ目の項目でございます。4メートル未満の道路に建築物を建てる場合や改修する場合に、狭あい道路の問題が常に出てきています。ブロック塀等については、セットバックして消防自動車等が通りやすいようにしようという事で、今までやってきているんですけれども、今年度それを更に進めようという事で、舗装を補助しようと。セットバックして頂いた舗装を補助させて頂いて、それで安全な通行を確保していこうという補助制度を今年度から設けました。それが6月1日から募集を開始させて頂きます。4月以降、いろんな形で建て替え等をされる方もおられるので、6月1日からという事を周知させて頂きたいと思っています。

和歌山公園動物園リニューアルイベントについて

5つ目の項目でございます。和歌山公園動物園のリニューアルイベント、動物園のふれあい体験をいよいよ開始させて頂きたいと思います。4月19日にはエサやり体験、5月5日のこどもの日にはモンキーパフォーマンスという事で、動物にできるだけ触れ合って頂こうという形で進めていきたいと思っています。ヤクルトマンも5月5日にやって来るという事で、そういう民間とも連携した動きをやっていきたいと思っています。

記者の質問事項

和歌山城天守閣について

(記者):和歌山城天守閣の耐震診断の事について伺いたいんですけども、この方向性、まず庁内のプロジェクトチームを4月25日に設置、保存整備委員会を5月に開催予定という事ですけれども、このそれぞれの構成メンバーというのは、どういう部局であるとかどういう方になるんでしょうか。

(市長):まずプロジェクトチームはいろんなところ、文化や建築関係、公園関係、障害者福祉など、様々なところにまたがってきます。そうした関係すると思われるところの課をプロジェクトチームとして、設定させて頂きます。まだキャップは決めていません。今回大きな話なので、上の方でキャップをやってもらおうかなと思っています。それと史跡和歌山城保存整備委員会はいろんなメンバーが、城郭に詳しいメンバー、文化財に詳しいメンバー、また建築史に詳しいメンバー、そういった外部の有識者に入って頂いているこれは常設の委員会になりますが、委員長は田中委員長でございます。この常設の委員会にも報告をさせて頂いて、今後の城郭のあり方という中で検討していきたいと思っています。

(記者):その中でこの3つの方針、木造再建か、耐震補強か、現状維持かという事で掲げられていると思うんですけども、この結論を出す時期というのは早急にとありますが、いつ頃までに方針を打ち出そうと思っていらっしゃるんでしょうか。

(市長):木造再建という、市民の方からもそういう声も出てきています。それで木造再建になるといろんな協議を要してきます。また耐震補強といっても簡単に補強できる話ではなくて、やはり今の文化財的価値を壊さない形の耐震補強の検討というのが必要になってきて、それぞれの面からいろんな検討をしなければいけないので、多分2年ぐらいはかかってくるんじゃないかなと思います。ある程度の方向性を出すまでには。

(記者):2年かかるという事ですけども、最近南海トラフ巨大地震の発生確率が引き上げられるような事もあって、耐震というのはいろいろ市民の関心も高いのかなと思うんですけれども、やはりどれかに絞るとかそういう事でもなくて、2年ぐらいかけてプロジェクトチームと委員会を継続的に開催して方針を出すという、それぐらい時間がかかると思っておいた方がよろしいでしょうか。

(市長):未耐震の構造物というのは、まだまだたくさんあると思っています。耐震改修の法律というのができているんですけれども、その中で法律的に対応していくというのは大きな規模になってきていて、ここは和歌山城天守閣の規模でいくと、そういう公表義務等がないお城になっています。和歌山市の中でも、いろんな形で優先順位を決めてやってきています。そうした中でできるだけ急いではやるんですけれども、やはり非常に文化財的価値を損なわないというところからいくと、なかなかすぐには答えが出ないんじゃないかなと思っています。もちろん最終的には予算も必要になってきますし、そうした事を含めると、やはり2年ぐらいはかかるんじゃないかなと思います。

(記者):改めてになるんですけど、木造再建は市民の要望が強いといっても、遺構が残っていないとかあるいは金銭的な面で相当負担があると、国との協議も必要となってくるという様なハードルがあると思います。あと現状維持というのも1つあったのが驚いているところではあるんですけれども、素直に考えたら耐震補強をひとまずはやって、その後改めて考えるというのが割とやりやすい事なのかなと思うんですが、あえてというか、この3つの選択肢をこの資料に記載されたというか、この3つがあるとされた思いというか、その背景を教えて下さい。

(市長):元々もし耐震補強となった場合は、どんな形で価値を残せるかという事で、例えば梁をしたりとか筋交いをしたりとか、そういう形ではなかなか価値が残せないと思っています。今まで他の城の耐震補強の実績を見ると、一番目立たなくするのは壁全体を補強するという面的に補強する方法だとか、あとは耐震壁という形で壁を新たに設ける、そうしたやり方というのがあります。簡単にできる場合は、できるだけ暫定的にそういう補強というのをやろうかなと思いますけれども、今回の結果を見ると、簡単にできるのかどうかという感じがするので、そこはしっかりと検討していきたいと思います。

(記者):現状維持という選択肢をここに記載されているのはどういう事なんでしょうか。やっぱり費用面とか、今回Is値が下回っているのは、大天守の1階2階、あと乾櫓が低いのかなというところだと思うんですけれども、これぐらいだったら現状のままでやっても一部だから、コストパフォーマンスというか費用対効果の面でこういう選択肢も残されたという事なのか、ここの部分を教えて下さい。

(市長):先ほども少し申し上げたんですけど、今まで耐震診断を実施したのが47城のうち25城あります。その25城の耐震結果を見て、確かに現状維持というところもございました。そこは現状維持で本当にいけるのかというところはあるんですけど、その選択肢の中にはあえて含ませて頂いたんですけれども、その選択をすることは可能性が少ないのかなとは思いますけど、一応選択肢として挙げておきました。

(記者):ではほぼ選択肢としたら木造再建か耐震補強か、そのどちらかにされようかというのを、この2年かけて考えていかれるというように考えていいでしょうか。

(市長):そうですね、はい。

(記者):例えば大天守閣だけとか、一部だけちょっと対策するとか、そういう事もあるんですかね。あとは建て替えとか、例えば一部だけ入れないようにするとか、そういう事もあるんでしょうか。それとか乾櫓だけ建て替えるとか。

(市長):今回、大天守の方が耐震が一番足りないという事ですので、大天守を立ち入り禁止というわけにはなかなかいかないんじゃないかなと思っていて、そういう面では、まずは避難誘導の方をしっかりやっていきたいと考えています。

(記者):という事は、この2年間の間というのは、天守閣の入場制限はされないという事ですかね?

(市長):当面はしないと考えています。

(記者):貼り紙等の掲示、当面の対策としてとありますけども、これは大体いつ頃からいつぐらいまでやられようという事なんでしょうか。

(市長):もう間もなく貼らせて頂きます。それといつまでという事については、これは耐震の結果が出て工事にかかるまでがその間になると思います。

(記者):仮に木造再建をされるという事であれば、前回の会見でも伺ったと思うんですけども、他の大奥であるとか能舞台、扇の芝といった古い時代の往時の姿と全体とを合わせて考えないといけないというご発言だったかと思うんですけども、その場合というのは、木造再建をするなら他の所も統一感を持ってやられるというような事になっていくんでしょうか。

(市長):もともと統一感を持って進めているつもりです。和歌山城は天守閣だけじゃないと思っていて、やはり徳川御三家であった特色、大奥があったり能舞台があったり、そうした特色が全体の魅力を引き出すんだと思っていて、今まで通り大奥、能舞台については復元を進めていきたいと思っています。その上で天守閣をどうするかという事については、非常に外観は精緻に復元されていますので、そうした中で木造に再建するのか、あるいはそのまま補強するのか、そうした事を選択していくのであって、特に方向性は変わっていないと考えています。

(記者):和歌山城の天守閣についてなんですけれども、先ほどご質問にもありましたように、現状維持というのをあえてこのように明示されて掲げられているんですけども、ここでいう現状維持というのは何も手を付けないというか、何もしないという理解でいいんでしょうか。

(市長):現状維持というのは、それ以外の避難対策をしっかり講ずる。非常に難しい事ではあるんですけど、揺れ出した時にすぐに安全が確保できるとか、そういう中での現状維持だと考えて頂けたらと思います。

(記者):今回、その昨年度の耐震診断の結果を市長自身ご覧になって、どのような感想を持たれたのかというのと、これから検討を進めていく木造再建ですとか耐震補強ですとか現状維持について、当然市なり、大きなお話ですので市長ご自身のお考えというのもあると思いますので、その点について、市長ご自身はどのようにお考えになっていらっしゃるのか。

(市長):まず耐震診断結果については、私は鉄筋コンクリートのラーメン構造だったので耐震性はあると思っていました。そんな中で今回、三次診断までやらずに二次診断の中で判定しているんですけれども、二次診断としては縦の壁の部分の診断になります。全体を含めた診断じゃないんですけれども、その二次診断の中で判断されたという事で、これは権威を持った判定委員会の結果として、重く受け止めなくてはいけないなと思っていて、やはり耐震性が無いと判断されたという事だと思っています。その部分は私も想定外だったんですけれども、特に熊本城の場合は、石垣が非常に潰れたりしています。それと屋根瓦が飛んだりという事で、和歌山城についても特に石垣の方も留意していたんですけれども、石垣についてはなかなか耐震補強ができない中で、和歌山城の場合は本体が岩の上に建っています。石垣自体が崩れる可能性は確かにあるんですけれども、そういう意味では安定性というのは全体的にはあるんじゃないかなと思っています。

(記者):もう1点の市長ご自身の方向性についてのお考えについて、今の段階でお話しできる範囲で結構なんですけども伺えますか。

(市長):いずれにしても耐震性がないという事で早期に結論を出していきたいなと思っています。ただ木造再建となると、本当に2年ぐらい検討期間がかかると思っていて、それ以外の例えば耐震補強という事であれば、その結論に至るのであれば早く耐震補強はやっていきたいし、今のところ私自身は、今後の委員会とプロジェクトチーム等での検討結果を待ちたいと思っています。

(記者):他のすでに耐震補強などをしたところも、将来の木造再建について、それも視野に当面として耐震補強という事を実施したところもいろいろあると思うんですけども、まずは耐震補強をしますというお考えを示されて、その後木造再建についてその完成を残しつつというようなそういう議論の立て方というのはお考えになっていらっしゃるでしょうか。

(市長):その選択肢もあると思います。ただ耐震補強が場合によっては木造再建の道を完全に閉ざす可能性もあって、その辺はしっかり筋道を確認してから、耐震補強にいくなら耐震補強という形でやっていきたいなと思っています。

(記者):和歌山城天守閣に関連してなんですけれども、先ほど市長の方からも石垣に関して言及があったんですけれども、例えば南海トラフで同様に被害が想定される松山城とか高松城の方では、積み直しですとか、人が通る前の所のみネットを張るような対策をやられているかと思います。和歌山城に関しても護国神社前、明治以降の野面積みですかね、2013年に震度4程度で一部崩れたという事もあります。なのでちょっと安定性だとか他県の動きと比べて不安が残るんですけれども、その点いかがでしょうか。

(市長):石垣については、すでに優先順位を決めています。それで今、特に不安定な所から整備をやっていまして、わかやま歴史館の隣の部分も整備したところでございます。今後その優先順位の中で、石垣の修復あるいは補強というのは進めていく事になっています。

(記者):熊本城ですとかでレーザーデータで保管してという様なことがありますが、どういう手法でされているんでしょうか。

(市長):石垣というのは、中の部分も含めて精緻に復元する必要があるという事で、まず取り崩す時に、石の順番だとか中の状況だとかそういった事を全部調査して、正確に復元するような形になっています。

(記者):これは仮のお話になるんですけども、天守閣を木造再建するとなった場合に、やっぱり費用面というのが1つ大きな課題としてのしかかってくると思うんですけども、過去に戦災で燃えた時は、市民からの寄附で賄ったという事もありました。仮に木造再建をすると決断されるのならば、財源の確保の手法としてどういう事を、何か市長で考えていらっしゃる事はありますでしょうか。

(市長):これは議会の方からも基金を作ったらという質問もあって、今財源の確保については、元々整備基金というのを持っています。そこを少し変えようかなと思っていて、もう少しわかりやすく基金作りをやっていこうと。それとある程度のインセンティブもいるんじゃないかなと思っていて、そうした整備基金のリニューアルというのを担当課へ指示して準備中です。間もなく新たな基金というのを設定させて頂く事になっています。

(記者):これは直接関係あるかわかりませんけど、今年「和歌山城天守閣再建60周年」という事で、節目の記念すべき年という事で、ワールド牧場への業務委託とか、ヤクルトマンとか、他にもカブミーティングとか、いろいろなイベントをやっている記念すべき節目の年に、和歌山城天守閣の危機というか、構造的に逆に問題があるというような事が出てきた事について、市長はどう思っていらっしゃるんでしょうか。

(市長):タイミングがタイミングだったんですけれども、いずれにしても、天守閣再建60周年という時期に、大天守も含めた天守のあり方という事を検討できるという事は、それはそれで大事な時期に差し掛かったんじゃないかなと思っています。まさに和歌山城全体のあり方も含めて、今後そういった天守閣再建60周年を契機として、しっかりと検討していって、魅力のあるお城にしていきたいなと思います。

(記者):貼り紙とかをして危険の周知という事はされるという事ですけれども、今回の結果がわかった事によって、再建60周年を祝うような記念事業への影響というのは特にないんでしょうか。

(市長):それは特に考えていません。むしろその60周年という記念の中で、この耐震結果を正直に一般の方にも出していって、そしてより安全性を確保するというのは大事なことじゃないかなと思いますので、別にそれがイメージを損ねたとかそんなふうには感じていません。

(記者):ただこういう結果がわかって、それで天守閣で大型のイベントをやって事故が仮に起きた場合には、市はこういう結果を把握していたのに、対策を取らずに事故を招いたという批判を受ける可能性もあるかと思うんですけれども、その辺りは特に貼り紙で誘導措置を呼びかける事で、入場制限等はやらないという事でよろしいですか。

(市長):和歌山城全体でのイベントを今年度多く開催しようと思っています。それは天守閣の中で何かをやろうというのではなくて、全体でのイベントです。それでそうした未耐震の構造物というのは世間にいっぱいあって、もっと公衆の人や弱者の方が利用する建物というのがいっぱいあるんですけれども、今回は天守閣という特にシンボリックな存在になっているので、余計にそういった意見もあるのかなと思うんですけど。これは市内全域の安全性というのは、やはり総合的に考えて優先度をつけてやっていきたいと思っていますので、特にそこだけ捉えて違う方向じゃないのかという事ではないんじゃないかなと思っています。

和歌山公園動物園リニューアルイベントについて

(記者):今の話と逆になってしまうかもしれませんが、改めて動物園がワールド牧場さんが運営する形になって、リニューアルイベントがこのように19日から始まりますけれども、改めて動物園のリニューアルへの市長ご自身の思いと、市民の方への呼びかけというのをして頂けますでしょうか。

(市長):和歌山城内の動物園については、100年以上の歴史があります。お城の中の動物園というのは、姫路城と小田原城、全国でも多分3か所で、姫路城も動物園を移転しようという話になっているし、小田原城も随分縮小されています。そんな中で、和歌山城というのは100年以上の歴史があって、すごく市民の間に定着している。特に子どもさんにも喜ばれるし、我々としてはこれからお城の中の動物園というのは、これからも存続させたいと思っていますし、充実できれば充実していきたいと考えています。その思いでこれからも動物園というのを特に市民の間に知って頂いて、親しみの持てる動物園にしていこうという事で進めていこうと考えています。

発表項目以外について

(記者):最近政府の方で、和歌山市の方でも力を入れて進めているIRに関して、例えばギャンブル依存症対策という事で、1日6,000円の入場料を取るとか、入場回数の制限週3日であるとか、あるいは認定区域数というのが3か所であるとか、法案の中身が大体固まってきたと思います。こういう中身について、マイナンバーカードで認証を義務付けるという様な話もありますけれども、こういう政府の対策について、市長はどのように思っていらっしゃるのか。あと3か所という数について、どういう風に受け止めていらっしゃるか教えて下さい。

(市長):和歌山市ではご存じの通り、外国人専用という形で今までずっと誘致活動を進めてきました。そんな中で、先日自民・公明の与党間、それと自民の法案というのが一昨日に明らかにされたんですけれども、そうした中で、和歌山市としては、やはりギャンブル依存症という本当の抜本的なところというのがちょっと見えないなあという感じはしています。そういう中で、外国人専用という形でこれからも誘致活動を進めていきたいと思っています。それと3か所という事については、少し厳しいかなという感じがしていて、5か所ぐらいだったら和歌山市も十分残る可能性が高かったんだろうなと思うんですけれども、3か所となると、厳しいという感じはしています。そんな中でも、やはり立地条件からいくと、関西国際空港に非常に近いし、周辺の海洋性のリゾートを十分生かせるので、それとすでに場所としては、スペースが空いているという事もあって速やかに着工できる、そうした利点があるので、まだ優位性はあるんじゃないかなと思っています。その中で、これから更にそういう地方にあったような、高級リゾート的なIRということについての誘致を更に進めていきたいと考えています。

(記者):その3か所では厳しいと言われる理由というのはどういうところにあるんでしょうか。例えば有力な候補地とされている大阪に地理的に近くて、ほか北海道とか長崎とか日本全体の地理的なバランスからいうと、仮に大阪に決まってしまえば和歌山はどうなるのか。並存が可能と仁坂知事は言っている部分もあると思うんですけども、この3では厳しいという部分というのはどういうところで厳しいと思っていらっしゃるんでしょうか。

(市長):いくつか手を挙げている、今はっきり挙げているのは4か所ですかね。それでまだ潜在的には多分上がるところもあると思っています。そうした中で3となれば、少なくとも4であればどこか1つが落ちるという事で。例えば5であれば、少なくとも今手を挙げている4か所については全部いけたのではないかと思うんですけれども、やはりその中で競争を勝ち抜いていかなければいけないという面があるんじゃないかなと思っていて、そういう意味であえて厳しいかなと言いました。

(記者):少し前の会見でも、市長は外国人専用の方針については変更するつもりは全くありませんと断言されていたと思います。その方針というのは3か所というのでは厳しいという事で、外国人専用でなかったらくるというようなオペレーターさんもいるような気がするんですけれども、これは全く変更するつもりは無いという考えにお変わりはないですか。

(市長):そこは全く変更するつもりは無いです。和歌山市としては、外国人専用という形で誘致活動をずっと続けてきました。そういう面で、誘致活動をこれからも外国人専用で続ける事には変わりはないです。

(記者):その中で先般、仁坂知事は会見の中で、この国の対策というのも一定に評価された上で、法案の中身にもよるんだけれども、県として独自にまた更に工夫をする事によって、依存症とか破産リスクは防げるんじゃないかという事で、日本人を入れても良いと、ちょっと従来の立場を修正されるようなご発言をされているのかなと思うんですけれども、県と市との立場という事を考えて、この仁坂知事のご発言についてはどのように受け止めていらっしゃるんでしょうか。

(市長):ちょっと溝ができたのかなという感じはするんですけど、知事の思いというのは、やはりギャンブル依存症にしっかり対応できるのなら、そういう意味では日本人の入場をある程度制限付きで認めていいんじゃないかなという、若干そういうニュアンスに私も聞き取れました。これは報道を受けての情報と記者会見等での情報をもとにして、若干トーンが変わったのかなという感じはするんで、少し溝ができたのかなという感じはします。

(記者):という事は、市としてはあくまで外国人専用という事で誘致をして、県としては入れてもいいよという趣旨でやっていく事になると思うんですけれども、そこはどうなんでしょう?互いに譲らないという事なのか、県にもやっぱり外国人専用でやってくださいという事を呼び掛けていくのか、それとも市長ご自身が、場合によっては対策がしっかりなされているのであれば入れてもいいよと態度を変える事もありうるのか、その辺りはどう折り合いをつけていかれるお考えなんでしょうか。

(市長):実施法案というのが、やっと自民党案が一昨日に出たんです。その中には、申請主体は都道府県になるという事がはっきり書かれています。そういう意味では、申請主体が都道府県、それとその地元、所在地の市町村については同意が必要という事が案に出ていました。そういう意味で、法案が今後最終的にどうなるかというところはあるので、その辺は注視していかなくてはいけないんですけれども、その法案に基づいて、また法律になった時点で、更に活動というのを見極めていきたいと考えています。

(記者):今後市民・県民の理解を得ていくために、何か考えていらっしゃる活動とかはありますでしょうか。

(市長):できるだけ具体的なモノが見えればと思っています。IRのメリット、デメリットもあると思うんですけれども、そうした具体的なところをもっと見ていく必要があるんじゃないかなと思っているんですけれども、ただ事業者がどういう絵を描くかというところが大きくて、それと依存症対策なども事業者がまず考えるという事になっています。そうしたところをしっかり見極めていって、どの程度の規模、和歌山市としてはカジノを誘致するのが目的ではなくて、統合型リゾートという事で、高級ホテルであるとか遊戯施設であるとか会議場、そうした事をできるだけ広く市民の方に利用して頂きたいという思いで、誘致活動を続けていますので、そうした中身が具体的になるのはやはり事業者がはっきり現れて、どういうものにしたいかという辺りからだと思うので、その部分が出ない限り、なかなかメリットというところは説明しにくいんじゃないかなと思っています。

(記者):市長ご自身が国の打ち出した依存症対策はちょっとなかなか見えない部分があるとおっしゃっていましたけれども、例えば入場料6000円とか週3回とかマイナンバー使うとか、ある程度効果があるんじゃないかなと思われるような対策は示していると思うんですけれども、例えば額が安すぎるとか回数が少ないとかマイナンバーって本当に効果があるのとか、どういう部分に市長は見えないというか疑問を持っていらっしゃるんでしょうか。

(市長):実際にマイナンバーで本当に規制できるのかとか、あと本当に依存症対策というと、例えば今のパチンコでも依存症になっている方はおられます。そうした中で、新たなギャンブルという意味では近くに大きなギャンブル場ができるという事で、依存症というのがどの程度完璧に作用するのかなというところで、完全には見えていない部分があります。そうしたところに不安がある事もあって、現在外国人専用という事で誘致をしている状況です。

                                                以上

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