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ページ番号1018634  更新日 平成30年3月13日 印刷 

先人たちのあふれる情熱や絶え間ない努力によって躍進してきた和歌山市の工業。

ものづくりの技術と精神はこの地に根付いて受け継がれ、多岐にわたる分野に発展し、

今日では世界に羽ばたくグローバルな産業にまで展開しています。

和歌山市のものづくりストーリーが今後も未来のページを重ねていくために、

歴史や背景、特徴を紹介し、その魅力をひもといていきます。


世界的企業に発展させた“経営の神様”

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松下 幸之助(まつした こうのすけ)1894年~1989年

1894年、名草郡和佐村千旦ノ木(現:和歌山市禰宜)生まれ。学歴も資力もないところから、1918年に独力で松下電気器具製作所を創設。アタッチメントプラグ(電気器具)をはじめとした、家庭生活を向上させる画期的な製品をこの世に生み出しました。1935年には松下電器産業(現:パナソニック)を設立し、取締役社長に就任。電球の製造に着手するほか、次々と新しい家庭電化製品を世に送り出し、家庭電器や無線電機の製作普及にも努力を重ね、世界的企業に発展。優れた実業家として、今も“経営の神様”と呼ばれています。

和歌山城の再建など多大な援助を行い、1960年に和歌山市名誉市民の称号が贈られました。


国産の楽器作りに励み、日本の音楽文化を発展

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山葉 寅楠 (やまは とらくす) 1851年~1916年

楽器事業や音響機器事業を展開する企業、ヤマハの創業者。1851年に和歌山城下に生まれ、父が紀州徳川藩士の天文係だった影響から、幼少のころから西洋の機械技術への関心が高かったといわれます。後に大阪で時計作りを学び、その後医療機械の修理技術者になりました。

1884年に静岡県浜松市に移り住んでからは機械器具全般の修理を請け負い、その中にアメリカ製オルガンがありました。「将来、日本でもオルガンが普及する」と考えた山葉は、オルガン製作に取り組み、日本初のオルガン製造に成功。1897年に日本楽器製造を設立し、初代社長に就任した後は、グランドピアノの国産化も実現させました。


日本の化学工業界を先導したパイオニア

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由良 浅次郎 (ゆら あさじろう) 1878年~1964年

化学工業の租と称される由良浅次郎は、1878年に和歌山市本町に位置した紀州ネル染色業の五男として誕生しました。

大阪の工業高校で色染を学んだ後、和歌山市で捺染加工業を自営。1941年第一次世界大戦の勃発により、海外からの染料の輸入が途絶え、日本の染色業界が存亡の危機に陥りました。由良は染料の主原料であるアニリンの製造を決意し、試行錯誤の末、国内初の製品化を成功させました。

1917年に由良染料を設立し、同年12月に化学工業博覧会のコールタール染料の部で「金賞牌」を受賞。日本の化学工業界を主導する企業として広く認知され、和歌山の染料工業は急速な発展を遂げました。


ビタミンAの分離抽出成功で、日本人の栄養状態を改善

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高橋 克己 (たかはし かつみ) 1892年~1925年

1892年、海部郡木本村(現:和歌山市木ノ本)生まれ。1914年に東京帝国大学農科大学農芸化学科に入学し、同大学院卒業後に世界で初めてビタミンAの分離抽出を成功させました。さらに、ビタミンAの性質や生理作用についても研究を重ね、夜盲症や肺結核など多くの病気の治療に効果があることを発見し、「理研ビタミン」の名称で栄養剤として商品化。当時の日本人の栄養状態を画期的に改善させました。

1925年に農学博士の学位が授与されましたが、8日後の2月8日、32歳の若さで病のため死去。人々の健康のために尽くした短い生涯を終えました。


国産飛行船初の往復飛行を実現させた航空先覚者

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山田 猪三郎 (やまだ いさぶろう) 1863年~1913年

日本航空界に大きな影響を及ぼした山田は、1863年、紀州藩士の子として和歌山城下の七軒丁(現:和歌山市堀止西1丁目)で生まれます。1900年に係留気球を考案、「山田式凧式気球」と名付けられ、日露戦争では日本軍が採用しました。

その後、飛行船を次々と製作し、1911年の3号船は20kmの飛行距離を記録。これにより、自由飛行できる飛行船は実用化され、これらの飛行船は山田式飛行船と呼ばれるようになりました。

2016年には、国際航空連盟が定める世界の航空業界の功労者として殿堂入りを果たしています。


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和歌山市のものづくり物語

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