(令和8年8月号)12 年間、本当にありがとうございました
いよいよ最後の市長コラムとなりました。
これまで、市民の皆様とともに歩ませていただいた日々は、私にとって何ものにも代え難い大切な宝です。どんな時も温かく支え、励ましてくださった市民の皆様に、心から感謝申し上げます。
市長就任時、胸に抱いていた思いはただ一つでした。「選挙でお約束した公約を実行し、和歌山市の衰退を止める。」その一心で、ひたむきに市政に取り組んでまいりました。
当時の和歌山市は、若者の流出、中心市街地の衰退、教育環境や子育て支援の遅れに加え、人命にも関
わる公共施設の耐震化など、先送りできない課題が山積していました。一方で、市の借金に当たる市債残高は3000億円を超えており、毎年約240億円の返済が必要な厳しい財政状況でした。財源がなければ何も前へ進めることはできません。そのため、職員には大変な苦労をかけましたが、徹底して国の財源を活用する方針を取り、知恵と工夫を重ね、市の単独事業費を大きく減らすことができました。さらに民間の力も積極的に取り入れ、廃校舎を活用した大学誘致をはじめ、和歌山城ホールや市民図書館など、長年の課題であった施設を新たな魅力ある拠点へと生まれ変わらせることができ、まちは少しずつ変わり始めました。
また、財政改善を進めながらも、子どもたちの健やかな成長を支えるため、市内すべての小中学校への空調整備やトイレの洋式化を進めるとともに、子ども医療費や学校給食費の無償化も実現しました。さらに、企業誘致や雇用の創出にも力を注ぎ、その結果、令和元年には
46年ぶりに転入者が転出者を上回る「社会増」を達成できました。
このまま順調に歩みを進められると思っていた矢先、令和2年、新型コロナウイルス感染症という未曽有の困難に直面しました。人と人とのつながりは希薄になり、地域経済も大きな影響を受けました。そのような状況の中でも、「和歌山市をもっと良くしたい」という思いを持った地域の方々をはじめ、高校生や大学生など幅広い世代で、それぞれの立場からまちを盛り上げる活動を続けてくださいました。その姿に、私は何度も勇気と希望をいただきました。
私は、この8月24日をもって市長を退任いたします。人口減少という時代の流れは今後も続きますが、ふるさとを愛し、次の世代へより良い和歌山市を引き継ごうとする市民の皆様の力がある限り、このまちはこれからもさらに輝きを増していくと確信しています。
どうかこれからも、市民と行政が力を合わせ、誰もが「和歌山市に住んでよかった」「このまちが好きだ」と思える和歌山市を築いていってください。
結びに、和歌山市の限りない発展と、市民の皆様のご健勝、ご多幸を心よりお祈り申し上げ、退任のご挨拶といたします。
12年間、本当にありがとうございました。
