(7) 片男波公園 万葉の小路(万葉集巻7-1215・万葉集巻7-1217)
【歌碑の内容】
<右の歌>
玉津島(たまつしま)
よく見ていませ
あをによし
平城(なら)なる人の
待ち問(と)はばいかに
<左の歌>
玉津島(たまつしま)
見てし善(よ)けくも
われは無し
都(みやこ)に行きて
恋(こ)ひまく思へば
【解説】
歌碑の右に刻まれた歌は、万葉集の巻七に載る歌(一二一五番歌)です。歌碑の左に刻まれた歌は、万葉集巻七に載る歌(一二一七番歌)です。神亀元年(724)に聖武天皇は紀伊国(きのくに)(和歌山県)玉津島を訪れます。この二首はその折りに詠まれたと推定されます。作者は不明です。
右の歌は、現地の人が一行の玉津島来訪を歓迎して詠んだ歌、そして、左の歌は、天皇にお伴をして来た役人が詠んだ歌です。
右の歌の意味は、「奈良(平城(なら))の都であなたのお帰りをお待ちのかたが「玉津島はいかがでしたか?」とお問いになった時に、しっかりと答えられるように、この美しい玉津島の風景を十分にご覧になっていってください」です。周囲に海のない奈良の都に住む人たちには、玉津島の海の風景は、最高の土産話となったことでしょう。
左の歌は、玉津島の素晴らしい風景を目の前にしてその感動を詠んだ歌です。ただしその気持ちを、率直に歌わずに「玉津島の風景を見たけれど、良いことだとも思えません」と、少し変わった角度から詠んでいます。なぜそのように思うかというと、「都に帰ってから、もう一度見たいと思っても、もう再びこの風景を目前に見ることが出来ないからです」というのです。
歌碑の文字は山本真舟氏の揮毫です。
本ページは、近畿大学名誉教授村瀬憲夫氏にご協力いただき、作成しています。
※歌碑周辺に設置されている解説版と内容が異なる場合がございます。
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