(8) 片男波公園 万葉の小路(万葉集巻7-1213)
【歌碑の内容】
名草山(なぐさやま)
言(こと)にしありけり
わが恋(こひ)の
千重(ちへ)の一重(ひとへ)も
慰(なぐさ)めなくに
【解説】
この歌は万葉集の巻七に載る歌(一二一三番歌)です。名草山は和歌浦湾の東にどっしりと鎮座する山です。この歌碑の目の前に見える、穏やかでまろやかな山容を持つ山がそれです。この地を訪ねた万葉びとは、目の前に広がる穏やかな海、そして穏やかに鎮座する名草山、そして果てしなく広がる青い空に見入り、心が慰められたことでしょう。
作者は名草山の「ナグサ」に、心が慰められるという意味の「ナグサ」を連想したのです。しかし名草山に向かっても、心は慰められなかったのでしょうか。「名草山は名ばかりの山だったなぁ。なぜかって、私の恋するせつない思いの千分の一も慰めてくれないのだもの」と詠みました。
なお万葉集時代の「恋」は、せつなく苦しいものでした。そのせつなさを名草山は、残念ながら慰めてくれなかったのですね。
歌碑の文字は稗田一穂氏の揮毫です。
本ページは、近畿大学名誉教授村瀬憲夫氏にご協力いただき、作成しています。
※歌碑周辺に設置されている解説版と内容が異なる場合がございます。
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