緊急出動要請!実践型緊急消防援助隊派遣対応訓練(中消防署)

 

ページ番号1031288  更新日 令和2年10月12日 印刷 

緊急出動要請!実践型緊急消防援助隊派遣対応訓練(中消防署)

緊急消防援助隊派遣を想定した24時間訓練を実施しました。

 令和2年9月17日(木曜日)、解体予定の市営汐見住宅において、緊急消防援助隊応援出動を想定した実践型訓練を実施しました。

 緊急消防援助隊とは、全国各地で大規模もしくは特殊な災害が発生した時に、被災地の消防力のみでは対応困難な場合、被災地からの応援要請により、都道府県単位で部隊編成を行い応援出動し、被災地で災害活動を行う全国的な消防応援制度による部隊のことです。

 派遣先では、過酷な状況が想定されるため、24時間通じて様々な訓練を実施しました。

~倒壊建物への進入・退出路の設定~

★床に穴を開け、開口部を設定している様子

写真:床に

★壁に穴を開け、開口部を設定している様子

写真:壁に

 コンクリート造の床や壁等を破砕し、開口部を作る手技をブリーチングと呼び、ブリーチングの中にも、ダーティーブリーチングとクリーンブリーチングと呼ばれる2パターンがありますが、今回はダーティーブリーチングを実施しました。

 今回の建物は、床のコンクリ―トの厚さが約10センチメートルあり、約20分で破砕することができましたが、壁のコンクリートの厚さは約20センチメートルあり、破砕するのに約50分の時間を要しました。

~狭隘空間への進入~

写真:狭隘空間

 狭隘空間での救助活動を『CSR(Confined【狭隘】・Space【空間】・Rescue【救助】)』と呼びます。

 CSRでは、狭隘空間へ進入する隊員と進入口で指示をする隊員同士のコミュニケーションが重要となります。

~倒壊の危険性がある建物への措置~

写真:倒壊の措置

 地震により外壁、天井等が損傷し、自重や余震等によって二次災害の危険がある建物に対して、木材や角材を用いて可能な限り安定化を図る手技をショアリングと呼びます。

 ショアリングにも様々な種類がありますが、今回はドアショア(事前設定型)と呼ばれる手技を実施しました。ドアの寸法を計測、木材をカット、木材をつなぎ合わせるなど、個々に役割分担をして作業します。

~役割分担~

★木材をカットする様子

写真:カット

★木材をつなぎ合わせる様子

写真:つなぎ合わせ

~エレベーターからの救出~

写真:エレベーター

 上階のエレベーター扉を開放しロープで隊員が降下。1階のエレベーター内に閉じ込められている要救助者を救出しました。

 救出するためのロープを固定する場所がないなど劣悪な環境の中でも、隊員個々の知識及び隊員相互の連携を図り、安全・確実・迅速に救出することができました。

 普段エレベーターを使用して訓練を行う機会がないので、貴重な訓練となりました。

~宿営地での様子~

写真:宿営地

 活動を終え宿営地に戻ると、宿営地の出入口に設けられた場所で、まず手洗い、うがい、消毒等を実施後、靴に付着した汚泥等を洗浄します。これは、デコンタミネーションと呼ばれ、そこから先は、常に清潔なエリアを保つために実施する動線となります。

~食事~

写真:食事

 続いて、食事です。これはレスキューフーズと呼ばれ、災害地で炊飯器やコンロなど調理器具がなくても、食材を温かく調理することができます。

 これがまたおいしくて、活動後のレスキューフーズは別格です。おかずの種類も多くて、食べ応えも抜群です。日持ちも3年間と、すごく長く保つことができます。

~県大隊会議シミュレーション訓練の様子~

写真:県大隊会議

 夜には県大隊会議(模擬訓練)と呼ばれる、各隊長が集まり、その日の活動内容、翌日の活動指針などを話し合う会議を行いました。

~就寝(仮眠)~

写真:就寝

 今回は、屋外にテントを設営し、簡易ベッドを並べて全員で仮眠しました。

 普段とは違う環境で仮眠を取るため、なかなか寝付くことができませんでした。

 しかし、良い現場活動を行うにはしっかり休息をとることも重要となるので、体調管理にも気を配っていますよ。

 

 近年、大規模な災害が増加傾向にあり、緊急消防援助隊として派遣される確率が高まっています。

 自分たちの町だけでなく、要請があれば全国の町を守り、被害を最小限に留めるため、これからも日々訓練に励んでいきます。

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