負傷者の搬送方法を覚えよう!(北消防署)

 

ページ番号1054124  更新日 令和5年12月12日 印刷 

なんで搬送方法を覚える必要があるん?

消防署のホームページをチェックしてくださっている消防の仕事に関心のある皆さん!

心肺蘇生法やAEDの使用方法については、過去に1度は講習を受けたり、動画で確認したことがあると思います。

では、負傷者の搬送方法って知っていますか?

※負傷者(ふしょうしゃ)とは、ケガ人のことを指す言葉ですが、今回の説明ではケガや病気が原因で、自分で動けなくなった人のことだと考えて下さい!

事故や病気で倒れた人が目の前に現れたとき、その場所が安全な場所であればいいのですが、危険な場所であれば安全な場所に移動させる必要があります。

そんなもしものときのために、今回、六十谷第12自治会の皆さんと令和5年10月29日に訓練を実施したので、訓練時の写真をもとに、安全に搬送できる方法をご紹介したいと思います!

なんで搬送法の訓練をしたの?

写真:公園

写真:訓練前準備品

写真:掲示板

今回の訓練は、六十谷第12自治会の皆さんから、防災訓練の一環として、搬送方法を勉強したい!と和歌山市北消防署紀伊分署鳴滝出張所に依頼があったため、訓練を行いました。

知らない知識を意欲的に勉強する精神!私達も勉強させてもらいます!

写真は開始前の訓練会場である公園の風景です!

六十谷第12自治会の皆さんが事前に必要な物を準備してくださり、掲示板で防災訓練のお知らせを掲示してくれていました。

訓練日和の良い天気!

今回、紹介する搬送方法は、徒手搬送と担架搬送です。

また、担架がない場合に応急的に担架を作成する方法についても紹介しますので、もしものときのために覚えてください!

担架を用いない搬送法(徒手搬送法)

1名での搬送法

写真:背部から

背部から後方に搬送する方法

負傷者の足を重ね、片方の腕を脇の下からつかみ、おしりをつり上げるようにして搬送します。

このとき、重ねる足とつかむ腕は左右どちらでも構いません。

1人での搬送になるため、かなりのパワーが必要なのと、後方の確認が難しい搬送になります。

冒頭でも説明したように、危険な場所から緊急で移動しなければならないときや周りに誰もいないときに限り、こちらの搬送方法を使用してください!

写真:背負い準備

写真:背負い

背負って搬送する方法

負傷者を背負って搬送する方法なんですが、負傷者は力が入らなかったり、意識がない場合等の状態であることが考えられるため、通常のおんぶではなく、負傷者の足の下から手を通し、両手を持って搬送します。

こちらの搬送も1人での搬送です。

1人での搬送ですが、意識がない人を1人で背負うことは難しいため、周りに協力してくれる人がいる場合や、負傷者の意識があり、負傷者が自分から背中に乗ることができる場合に使用してください。

2名での搬送法

写真:2名搬送前

負傷者の前後を抱えて搬送する方法

腕を持つ人は背部から後方に搬送する方法と同じですが、進行方向は、足側となります。

足を持つ人は負傷者の足を重ねて、持ちやすい部分を持ち上げます。

この搬送法は、足を持っている人が片手でドアを開けたりできることが利点です。

担架搬送法

写真:担架搬送

担架を持つ人は全員進行方向を向き、負傷者の足側から進むように搬送します。

理由は、頭側の人は負傷者の顔を観察し、容態を確認できるようにするため、足側の人は進行方向の安全確認ができるようにするためです。

2人でも搬送できますが、より安全確実に搬送するため、搬送側の人数が多い場合は4人で搬送しましょう!

応急担架作成方法

棒と毛布による応急担架

写真:棒担架1

担架がない場合でも、近くに毛布や長くて強度の高い棒(今回は竹を使用)があれば、応急的に担架を作成することができます!

毛布を広げて、約3分の1の場所に棒を1本置きます。

写真:棒担架2

棒を包むように毛布を折り返し、2本目の棒を、折り返した毛布の上に置きます。

2本目の棒を置いた側の毛布の端は15センチメートル以上余らせます。

写真:棒担架3

余らせた毛布を折り返します。

写真:棒担架4

残りの毛布を折り返します。

写真:棒担架5

棒と毛布による応急担架の完成です!

毛布を利用した応急担架

写真:毛布

棒が見当たらない場合は、毛布の両端を丸めて持ち手を作ることで応急担架とし利用することができます。

この際、少ない人数だと不安定になるため、4人以上で搬送するようにしましょう!

まとめ

以上が今回の訓練で実施した搬送方法になります!

他にもいろいろな搬送方法があるので、気になる方はインターネットで【搬送方法】を検索してみてくださいね!

また搬送方法は、人を持ち上げたり移動させたりするので、結構な力が必要になります。

成人男性の平均体重はだいたい70キログラムだそうです。

体力に自信のない人や、自分では持ち上げられないと感じた人も、知識として覚えておくことで、搬送方法を知らない体力のある人に伝えることができます!

1人でやろうではなく、みんなで頑張ろうと覚えておいてくださいね!

今回の訓練後、鳴滝出張所の日々鍛えている若手職員が腰を痛めたといっていました!

よし!腰が治ったら一緒に訓練頑張ろう!!

自治会の防災倉庫がすごい!!

写真:防災倉庫

訓練の開始前に六十谷第12自治会の防災倉庫を見学させてもらいました。

中がきれいに整理されており、災害が起こった際にすぐ使えるようなレイアウトなっていて敬服しました!

素晴らしい!!

何事も備えることが大切です!

いつ起こるかわからない災害に負けないように、みんなで一緒に備えましょう!!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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